母と子のスキンシップの大切さ(2)
1539 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
心と体の健康
「母と子のスキンシップの大切さ(2)」
つぶらな目をした赤ちゃんが、お母さんの顔をジ~ッと
見つめ、お母さんはいつも優しい笑顔で赤ちゃんの顔を
のぞき込む・・これが母子のまぐわいです。
赤ちゃんが母に抱かれて母乳を飲むことが、
霊長類と言われるサルや人間の愛の始まりなのです。
霊長類には、胸に乳房があるので、子が乳を飲む時、
母と子はお互いに見つめ合うことができます。
赤ちゃんは、授乳という幸せ行動を体験しながら、
「優しい目つきで見てくれる人は私を愛する人なんだ」
と理解するようになります。
哺乳動物は、母の乳房が下腹部にあるので、乳を飲む
とき母を見つめることはありません。その分親離れが
早くなります。
生まれてすぐの哺乳動物を親から離して、人間がミルク
で育てても、大きくなり繁殖のシーズンになると、交尾
が出来ます。
人間の場合、思春期を迎え、先に好き嫌いの信号を送る
のは女性の方が多く、興味のある男性が現れると、女性
はその男性にチラチラと視線を送ります。
女性がそんな行動を起すことも、男性が瞬間的に
「これは脈がありそうだ」と判断する能力も、元をただ
せば授乳時に育まれたものです。
男性と女性の視線が合った時に、好意を感じた女性が
にっこり笑うのも、男性がその笑顔を見て「あの人は、
おれに気があるな」と感じるのも、授乳時に繰り返され
る、母子の愛のシグナルのお陰なのです。
授乳時の母と子の見つめ合い、まぐわいは愛の行動の
始まりなのです。
大下陸郎「ラブラブ・クリニック」より