■兵法の利を知る
鉄砲の名人のことを何と言うでしょう?
”鉄砲撃ち”と言います。
槍の名人は ”槍使い”と言います。
すると、刀の名人は”刀使い”と言うことに
なります。
でも実際は刀の名人のことを「兵法家」と
言います。そう考えると、刀を使う者はどう
も特別のようです。
ところで、世の中には様々な道があります。
儒学・仏法・茶道・・これらは兵法の道とは
異なります。
何れの道であれ、その道を深く磨きぬくなら
その他の様々な道にも生かせるようになる
のです。
1501 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
「宮本武蔵/五輪書・二刀流」
五輪書は「地・水・火・風・空」の五巻にまとめられて
いる。
[地の巻]
この巻では、二天流からみた武芸の道について書かれて
いる。剣術を一通りやり遂げた程度では、武芸の極意を
マスターすることは難しい。
大切なことは、大きいことから小さいことを知ること、
浅いところから深いところに至ることです。
初めの心構えが大事なのです。
「地の巻」という呼び方には、武芸の道に励むための
”地ならし”の意味が込められている。
■二刀流という流派
武士はいつも刀を二本身に付けている。
「せっかく2本あるのだから・・2本とも使おう」
というのが我が流派・・
そこで、我が流派を「二刀流」と名付けた。
有るものは使う・・使わないともったいない。
命をかけて戦うときは、身に付けた道具を残さず
役立てることだ。
二刀流だからといって、必ずしも二本を両手に持って
戦うわけではない。
二刀流の真意は、2本を同時に持つことではなく、
1本の刀を片手で扱えるようにすることです。
右手に1本、左手に1本持って練習すると、片手で刀を
扱えるようになります・・ そのための二刀流なのです。
刀は両手で握って構えるという常識があります・・
そんなこだわりに囚われず、片手で持てばいいのです。
例えば、馬に乗っているとき、走っているとき・・
足場の悪い沼地で戦っているとき・・
どれも、片手で刀を持って戦った方が動きやすい。
刀は両手で握るという常識にとらわれず、時には片手で
持つ・・その方が理にかなっているのです。
それに、刀は速く振ればいいというものではない・・
刀の長さも、長ければいいというものではない・・
長い刀でも、短い刀でも勝つ!それが我が流派です。
あーりー/「宮本武蔵」ゆる~い現代語訳より