私たち夫婦は、結婚して直ぐ両親と同居。
妻は、年老いて病に伏せった両親を最後
まで看病し、見送った。
父は”前立腺”を長く患っていた。
度重なる検査、そして十種類の薬をまじめ
に飲んだ。それが死期を早めたようだ。
元気だった母・・80歳のとき余命半年の
”すい臓がん”を告知され入院。
回復見込みのない母に、2度も抗がん剤
を投与。母は苦しみに耐えて頑張ったが、
告知通り半年後に亡くなった。
死の直前、血圧が下がる中、酸素マスクを
宛がい、心臓に電気ショックを施すなど、
医師は懸命の延命措置を行った・・
しかし、母の顔は苦しそうに歪んでいた。
1484 「吉村外喜雄のなんだかんだ」
幸せな人生 「尊厳死の宣言書」
私は人生の終わり、命の終わりが近づいた時、
延命処置を施さず、自然の摂理にゆだねて寿命が尽きる
・・そのような死を迎えたいと願っている。
生きる目的のないベッドの上で、苦しみに耐え、更に
半年・1年生き永らえたところで、何の意味があろうか
・・真っ平ごめんである。
その意思表示を、予め主治医や看病してくれる家族に
示しておこうと、昨年の9月私と妻は揃って
「尊厳死協会」に入会した。
協会から届いた会員証の裏面の「尊厳死の宣言書」
には、以下の文章が印刷されている。
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私は、私の傷病が不治であり、かつ死が迫っていたり、
生命維持装置無しでは生存できない状態に陥った場合
に備えて、私の家族、縁者ならびに私の医療に携わって
いる方々に、次の要望を宣言いたします。
この宣言書は、私の精神が健全な状態にあるときに
書いたものです。.
① 私の傷病が、現代の医学では不治の状態であり、
既に死が迫っていると診断された場合には、
ただ単に死期を引き延ばすためだけの延命措置
はお断りいたします。
② ただしこの場合、私の苦痛を和らげるためには、
麻薬などの適切な使用により、十分な緩和医療を
行ってください。
③ 私が回復不能な遷延性意識障害(持続的植物状態)
に陥ったときの生命維持措置を取りやめてください。
以上、私の宣言による要望を忠実に果たしてくださる
方々に、深く感謝申し上げるとともに、その方々が私の
要望に従ってくださる行為一切の責任は、私自身にある
ことを付記いたします。