■延命治療/受ける?受けない?
厚生労働省の2013年の調査によれば・・
死期が目前に迫った時、延命治療を”辞退”
すると、書面にしておくことを「賛成」と回答
した人は、60歳以上で64%。
実際に書面を作成した人は、わずかに6%
このことを家族と詳しく話し合った人は4%
一度も話し合ったことのない人は44%
家族の間で「もしもの時」の話しをすることが、
容易ではないことがわかります。
1483 「吉村外喜雄のなんだかんだ」
幸せな人生 「尊厳死」
回復の見込みがなく、直ぐにでも命の灯が消え去ろうと
しているときでも、現代の医療は1分でも長く生かし続
けようと、可能な限りの処置を施すのが通例です。
妻の父が85歳の時、自宅で倒れ意識を失った。
救急車で、県立病院の救急治療室に運びこまれた。
人工呼吸器を付け、体内に酸素を送り込み、胃に穴を
あけて胃ろうを装着し、液体栄養剤を注入した。
ひとたび、これらの延命措置を始めたら、はずすのは
容易でない。
生命維持装置をはずせば、死に至ることが明らかだけに
、医師ははずしたがらないのです。
延命措置を行う前に、医師は付き添い家族に
「やって良いか」を確認し、了解を求めます。
患者自身は延命治療を受けたくないと思っていても、
親の最後が近い時に「やめてほしい」と言えるか?
患者本人の意思があいまいだと、付き添いは判断に迷う
し、任された家族は気の毒です。
周囲に「冷たい人だ」と思われたくない・・
「今少し1分でも1秒でも命を長らえさせてやりたい」
との思いから、延命治療を承諾し、医師もそれに応え
ようとする。
患者本人は、死期が目前に迫っていることを悟り、
「安らかにその時を迎えたい」と思っているだろうが。
ところが、鼻からチューブが通され、機械につながれ、
この期に及んで、なお辛い断末の苦しみと闘わなければ
ならない・・本人の意思とは関わりなく、生きることを
強いられるのです。
誰もが「苦しまずにぽっくり死にたい」と思っている。
安らかな最後を迎える「尊厳死」を願っているのです。
そのためには、健康なときに「尊厳死」を希望する旨の
文章を作成しておくことです。自らの意思表示を医師や
家族に伝えておく必要があるのです。