1478 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
「父親が残していった戦前」
父親が残していった手提げ金庫に、終戦前後の日本の
古い紙幣のほか、戦時国債と昭和10年当時の中華民国
紙幣が仕舞い込まれていた。
◎お国のためと買った国債300円(現在の貨幣価値で
120万円相当) 悔しかったのだろう・・捨てるに
しのびず、手提げ金庫の中に仕舞い込まれていた。
戦前発行された軍事国債は、終戦直後の昭和21年4月
1日以降を支払日とする元本と利子の支払が停止され、
消滅時効に・・紙屑になってしまった。
◎1937年蒋介石率いる南京国民政府軍と、大日本
国軍との間の日本と中国の戦争が、泥沼化していった。
その時父は徴兵され、首都南京攻略に従軍した。
その当時の中華民国紙幣で、孫文の肖像が印刷された
拾圓、五拾圓、そして壱百圓札が数十枚、皮財布の中に
仕舞い込まれていた。