■育てる
二十年前、娘を後継者に育てようと、
単身ロサンゼルスの専門学校に行かせた。
そして帰国後、しばらく親会社に預けた。
販売会社の後継者は、滋賀県の研修所
に集められ、そこで三年間教育を受ける
ことになっていた。
私は本社に「甘えの許されない環境で
鍛えてほしい」とお願いし、最も厳しいと
される某支店に配属してもらった。
支店での厳しさは想像以上だった。
娘はくじけそうになりながらも、
3年間必死に頑張り抜き、戻って来た。
1464 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
幸せな人生 「禅の修行・三士の範」
禅の修行を志すとき、「どういう師匠のもとで修業する
か」が、弟子にとっては、入門するときの重要な選択
になる。
禅宗には「三年学ばずして師を選べ」という教えがる。
いきなり入門するのではなく、まず師匠がどういう人な
のかを、よく調べることから始めます。
中国宗の時代(960~1279)から、今に伝えられ
る「三士の範」という言葉があります。
修行僧の気質・資質に、三ランクあるという意味です。
一つは凡人、「下士は勢いにつく」
今1番評判の高い師匠のところへ弟子入りする。
二つは、もう少し志が高い修行僧は「中士は徳につく」
世間の評判は気にせず、徳の高い人格者のもとで修行
したいと考え、入門する。
三つ目は、「上士は恨みにつく」
一生かけて禅の世界を極めたいと考える志の高い人は、
人情を交えずに、とことん自分を鍛えてくれる・・
そんな厳しい師匠につくことを願うのです。
理念と経営「師と弟子の絆」より
現代社会も同様です。
例えば、大工を志すのであれ、調理人であれ、職人の道
を極めるには、まずどんな師匠につくのが良いか?
人生はそこからスタートします。