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禅宗/幽霊が語るもの

■今を生きる

「 過ぎたるを追うことなかれ
  未だ来たらざるを想うことなかれ

  過去 そはすでに捨てられたり
  未来 そはいまだ致らざるなり

  今日まさになすべきことを熱心になせ
  誰か明日 死のあることを知らんや 」

どの一瞬もかけがえのない命の歩みとして、
天地いっぱいに生かされている今、
今を生きることが、命を本当に大切に
生きるということであろう。

                                  青山俊董老師



1457 「吉村外喜雄のなんだかんだ」
幸せな人生 「禅宗/幽霊が語るもの」

「世の中には四種類の人間がいる」と釈迦は言う。
1. 闇から闇へゆく人 3. 光から闇へゆく人
2. 闇から光へゆく人 4. 光から光へゆく人

幽霊のイメージといえば、おどろ髪を長く後ろに引いて
両手を前に垂らし、足がないのが特徴です。

おどろ髪を長く後ろに引いている姿は、
もう過去のことでどうにもならないことを、いつまでも
ぐずぐずと引きずっている様を表している。

反省するのと、心の中で引きずるのとでは違います。
反省は、しなければならない・・
しかしどうにもならないことに、いつまでもぐずぐずと
引きずって、心が後ろ向きになっている姿・・
それが、おどろ髪を長く後ろに引く姿なのです。

それとは反対に、どうなるかわからない未来に取り越し
苦労して、心が前のめりになっている姿・・
それが両手を前に垂らしている姿になって表れる。

癌を告知され、まだ初期の段階だというのに、病気より
心が病んでしまい「ああ~もうだめだ、死ぬのは恐い」
と、病気を更に悪い方に推し進めてしまう・・

幽霊が両手を前に垂らしている姿は、お釈迦様の言う、
闇から闇への生き方になる。

両足をついて立っているのに、心は、過去へ未来へと
飛んでしまっている。

「今、ここに」地に足をつけて生きていかなければなら
ないのに、仕事も何も手につかず、うわのそらの状態
・・それが幽霊でいう、足のない姿になるのです。

                                        愛知専門尼僧堂堂長 青山俊董老師

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