■冒険心
人間の特性に「冒険心」がある。
冒険心がなかったら、人類は発展
しなかったでしょう。
過去、誰もやったことがないことを
やってみようとする好奇心・・
世界の未踏峰に挑戦したり、南極を
犬ぞりで横断したり・・過酷な環境で
冒険しようとするのは人間だけです。
チンパンジーもゴリラも冒険しません。
「あの山の向こうに何があるだろうか?」
と・・熱帯雨林を移動して歩こうなど、
考えもしないだろう。
1453 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
「人間と動物の違い(2)」
犬山の日本モンキーセンターに隣接する京大霊長類研究
所で、以前チンパンジーの短期記憶力の実験をしたこと
があります。
研究の一番の成果は、チンパンジーに人間より優れた
ものを見つけたことです。
画面に表れた数字をほんの一瞬見た後、小さな数字
から順に、次々と指さしていくチンパンジー・・
人間はいくら頑張っても4つぐらいしか出来ないのに、
チンパンジーはほぼ全問正解する。
人間の3歳児くらいの知能があるといわれている
チンパンジー・・高い所に登る運動能力の高さには
とても及はないが、まさか知性の面で、人間が動物より
劣っているとは、思いもしませんでした。
記憶という知性のひとつの表現の中で、チンパンジーの
方が瞬間的に記憶する能力に長けている・・という事例
を 初めて見つけ出し、世界に衝撃を与えた。
しかしその一点のみで、チンパンシーに隠れた能力が
あると言っているのであって、その他あらゆる面で人間
よりはるかに劣るのです。
例えば、人間の三歳児に積み木の玩具を与えて遊ばせる
と、いくつも部品を作り、その部品を組み合わせて、何か
大きなものをつくって遊ぼうとする。
そうしたことは、霊長類のチンパンジーには難しいこと
です。3歳児の潜在能力の中に、人間の知性の高さを
垣間見ることができるのです。