« 「百年の計は人を植うるにあり」 | メイン | サンゴ97%が白化、死滅へ »

孔子苦難の人生

■孔子の思想

孔子の思想は、まさに実践哲学です。
どんな素晴らしい学問・知識を身につけても、
それが実際に活かされなければ意味がない。

人生には、歳を重ねて初めて分かることが
沢山あります。
三十代の頃は、四十代・五十代の自分を
想像することができませんでした。

家族のあり方、社会との関わり方、物事の
優先順位、様々なことが変化していきます。
晩年の十数年は、諸国を巡り、自分の思想
を説いて歩いた。



1446 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
孔子の教え(35)「孔子苦難の人生」

「吾十有五にして学に志す   三十にして立つ 
  四十にして惑わず   五十にして天命を知る
  六十にして耳順う   七十にして心の欲する
  所に従えども矩(のり)を超えず」
(為政二)

孔子が十代で両親を失ったことは、前号で触れました。
寂しく厳しい環境の中で、学問に生きようと志を立てた
のが十五の頃です。

三十になり、自分の学問の基礎ができあがり、学問で
身を立てていく目途が立ちます。学問を志して十余年、
研鑽を積んだことがうかがえます。

四十歳で、物事の道理が理解でき、よこしまな欲望で
判断を誤まるようなことはなくなります。
更に、五十歳で「天命を知る」と悟っているのです。

人は皆、何かしらの”使命”を持ってこの世に生まれて
きます・・それが天からの使命、つまり”天命”です。
天命を知ったなら、その達成のために力を尽くすのが
人生・・ということになります。

孔子、五十になっても険しい道は続きますが、確実に
実績を上げていきます。
六十歳は円熟期・・人の話しを素直に聞けるようになり
ます。
五十歳から六十歳の間に、孔子の人生は大きく変化しま
す。五十代半ばで国の宰相にまでなりますが、失脚して
しまう

その後、弟子を連れ放浪の旅に出ます。
六十歳の時は、その旅を始めて間もない頃で、
心境に変化があったことがうかがえます。

七十歳になり故郷の魯に帰ります。
若い弟子を育成し、書物の編纂をして残された余生を
過ごします。この頃になると、心のままに行動しても
道理から外れることがなくなります。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
この章句を読んだだけで、孔子の人生が鮮明に見えてき
ます。苦難や悩み多き人生だったからこそ、言える言葉
ではないでしょうか・・
また、この章句は、人生の重みや厳しさだけでなく、
歳を重ねる喜びも教えてくれているのです。

                            安岡定子著「実践論語塾・序章」より

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.noevir-hk.co.jp/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/2092

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

ひとつ前の投稿は「「百年の計は人を植うるにあり」」です。

次の投稿は「サンゴ97%が白化、死滅へ」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.36