1432 【心と体の健康】
「人生逃げたらあかん」
以下は、大島修治氏が九死に一生の命拾いをした体験記
です。
♪平成8年7月23日に事件は起きた。福岡市博多にあ
る通信販売会社の本社に、一人の男が「クーラーの点検
に来ました」と、ポリバケツと雑巾を持って訪ねてきた。
男は3階の社長室に入ると、いきなりポリバケツのガソ
リンを床に撒き、社長の私にガソリンを浴びせた。
そして、逃げ去る際に私に発煙筒を投げつけたのです。
ボーンと音を立ててガソリンに引火し、たちまち火だる
まに・・女子社員が消火器で消し止めてくれたものの、
救急車で病院に運ばれたときは、顔は焼けただれ、
右手の指は、熱で溶けてしまっていた。
火傷は全身65%に及び、医者は「助からないだろう」
と見放す寸前の状態だった。集中治療室で駆け付けた
家族に「俺はもうダメだ、子どもをよろしく頼む」と
遺言し、気を失った。
その時私は48歳、福岡でいくつもの事業を手がけて、
得意の絶頂にあった。グループの総売り上げ70億円、
従業員230人、不況どこ吹く風と急成長しているとき
に起きた事件でした。
火傷後3日間、体が風船のように膨らんで、血圧が20
まで下がり、危篤状態を5回も繰り返しながら、意識を
取り戻したのは2週間後だった。
加えて全身感染症と、熱気を吸って肺炎を引き起こし、
危険な状態が続いた・・三途の川を往き来していたので
す。
「もう死んでしまいたい」・・意識を取り戻した私は、
猛烈な激痛に襲われ、更に風評から、業者は取引継続を
断ってくるし、取引銀行は融資を打ち切り、返済を迫っ
てきた。
会社の経営内容は急速に悪化いていったのです。
次号に続く