■東北民話「地獄の人参」
♪あるところに欲張りな老婆がいた。
その報いで地獄に堕ちた。
地獄の責め苦に耐えきれず、閻魔様に・・
「何とか極楽に行かせて欲しい」
と頼んだところ
「何か一つでも良いことをしたことがあるか?」
と問われた。
そこで老婆は、旅の僧に腐ったニンジンを
恵んだ話をした。
閻魔様は「これがそのニンジン・・
それにすがって極楽に行くがよい」
蜘蛛の糸の話と同様、後ろから人参に
すがってきた亡者を追い払おうとして、
地獄へ堕ちていった。
1402 「吉村外喜雄のなんだかんだ」
幸せな人生 「蜘蛛の糸」
芥川龍之介の短編小説「蜘蛛の糸」は、大正7年に
初めて、児童文学作品として発表したものです。
仏教の影響を受けたドイツの作家ポール・ケーラスが、
民話をもとに書いた小説を、鈴木大拙が翻訳・・
それを読んだ龍之介が着想して、生まれた作品です。
♪釈迦はある時、極楽の蓮池を通して下の地獄を覗き見
た。罪人どもが苦しんでいる中に、カンダタという男を
見つけた。カンダタは悪党であったが、過去に一度だけ
善行を為したことがあった。
それは、小さな蜘蛛を踏み殺しかけて止め、命を助けた
ことだ。それを思い出した釈迦は、彼を地獄から救い出
そうと、一本の蜘蛛の糸をカンダタめがけて下ろした。
極楽から下りてきた糸を見たカンダタは、この糸を登れ
ば助かると、糸につかまって昇り始めた。
ところがふと下を見下ろすと、数多くの罪人達が自分の
下から続いて登ってくるではないか・・
このままでは、重みで糸が切れてしまうだろう。
カンダタは「この蜘蛛の糸は俺のものだ、降りろ」と
喚いた。すると蜘蛛の糸はカンダタの所から切れ、
彼は再び地獄の底に堕ちていった。
自分だけが助かろうとして、結局元の地獄へ堕ちてしま
ったカンダタを浅ましく思ったのか、それを見ていた
釈迦は、悲しそうに蓮池から立ち去った。
もし自分が、このような局面に遭遇したら、同じように
振る舞ってしまうのでは?