■オバマ大統領の広島スピーチ
『71年前の晴れた朝、空から死が降ってきて
世界が一変しました。
閃光が広がり、火の海がこの町を破壊しました。
人類が自分自身を破壊する手段を手に入れた
ことを示したのです。
なぜ、私たちはこの場所、広島を訪れるのでし
ょうか?私たちは、それほど遠くない過去に・・
(中略)
10万人を超える日本の男性、女性、子ども
たち、数千人の朝鮮半島出身者、12人の
アメリカ人の犠牲者の死を悼みます。
犠牲になった人たちの魂が、私たちに語り
かけています。
もっと内側を見て、私たちはいったい何者かを
振り返り、今後、どうしていくべきか、私たちに
語りかけています・・(以下略)』
1395 「吉村外喜雄のなんだかんだ」
「オバマ大統領の広島歴史的訪問」
オバマ大統領は、広島声明の原稿の細部に修正を加え、
一言一句にこだわったという。
以下は6月3日読売/作家・保坂正康氏「想う」から・・
『オバマ氏が広島来る目的は、被爆して亡くなった人々
の追悼・慰霊のためだろうと単純に考えていた。
ところが演説は「71年前の晴れた朝、空から死が降っ
てきて世界が一変しました・・」と、詩のように始まり、
人類を代表しているかのような高まいな理念が続いた。
それを聴きながら、アメリカの大統領というのは
「すごいな」と思った。
大統領は「広島の盟(ちかい)」を歴史に刻み込んだ。
「核なき世界」を目指すと約束した。
歴代の大統領と同様に、アメリカが常に(アンパンマン
のような)正義の側にあるという刻印を歴史に残す・・
それが広島訪問の最大の目的だ。
追悼と慰霊は二の次、原爆使用の謝罪の有無など更に
次の問題だろう。しかし、最大の核保有国はアメリカだ。
現実には、アメリカは核廃棄を実行していない・・
オバマ演説は矛盾している・・
だが、アメリカにとってはそうではない。指導者の発言
は歴史の流れの中で評価されるべきもののようだ・・
(以下略)