■離婚経験者の貧困率
2012年の内閣府の調査によれば、
貧困状態に陥った人の割合は、男女共
高齢期に入って上昇し、55~59歳では
男性13.5%、女性は16.6%になる。
65歳以上の一人住まいの女性は、
約半数が貧困状態にある。
同府の08年の調査では・・
55~74歳の単身女性で、貧困状態に
あたる「年収120万円未満」の割合は、
離婚経験者が33%と最も高く、
未婚(19%)や死別(21%)を上回った。
1389 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
幸せな人生 「離婚と貧困」
子どもができちゃったからと、安易に結婚し、
こんなはずではなかったと、安易に離婚する。
幼児を抱えて貧困にあえぐ女性や、結婚しない未婚女性
が増えている。
離婚した後、正社員の職を見つけるのは難しい・・
非正規雇用のパートから抜け出せないまま、年を重ねて
いく。
非正規雇用が続けば、老後に受け取る年金が少なくなる
・・無年金や低年金状態に陥ることに。
社会が老齢化する中、独り身の高齢女性の貧困が深刻な
社会問題になろうとしている。
知人の56歳の女性・・パート社員として食品スーパー
で5時間働いて、月収は約9万円・・家賃と光熱費を差
し引くと1~2万円しか残らない・・子どもの教育費を払
って、やっとやっとの生活が続く。
化粧品や日用品は100円ショップで買い、洗濯は手洗
い。朝食は子どもたちだけ・・自分は一日夕食のみの
一食。夕方値引きされたお店の惣菜で、何とか間に合わ
せている。
「20代の頃・・まさか自分が将来、こんな生活になろ
うとは、思いもしなかった」という。
大学卒業後上場企業に就職。正社員として働き、26歳
で結婚・・翌年、妊娠を機に退職して専業主婦になった。
しばらくして、夫との折り合いが悪くなり、ノイローゼ
になって離婚。
離婚後は、子育てをしながらパート・・昼夜働きづめで
心労が重なり、寝込んだことも・・国民健康保険も保険
料が払えず、病院にもいけない。
生活保護で、何とか最低限の生活をしのいではいるが、
この先、人並みの生活ができる仕事が見つかる可能性は
ゼロ。
老後も、このような貧困が続くと思うと、憂鬱になる・・
何を生きがいにして生きていけばいいのか?
子どもを抱えていても働ける環境を整備する、政府の
対応が急がれる。
読売新聞「安心」から抜粋