長年続いた不況と不安定な雇用が、
若者の結婚に暗い影を落とす。
交際している男性の収入が少ないこと
を理由に、結婚をためらう独身女性。
結婚したら、共働きでないとやって
いけないし、金銭面で苦労するのが
目に見えている。
結婚相手の男性も、自分の生活を
維持するのに精一杯で、
「今は結婚どころではない」とためらう。
1387 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
幸せな人生 「結婚したがらない若者」
私が結婚したのは昭和43年、27歳の時です。
当時ほとんどの女性は、適齢期になれば結婚するのが
当たり前に思っていた。
「女は結婚して子供を生み、一家を為さねば天の理に背
く」と、その気かなくても結婚させられた。
当時は、結婚より仕事を優先する女性は珍しかった。
「売れ残り」は本人だけの問題ではない!家の恥・・
結婚以外に選択の余地などなかった時代です。
1965年(S40)の統計によれば、生涯未婚率は、
男性1.5%、女性2.5%と、数字に表れている。
国の発展と共に豊かさを実感するようになり、価値観が
多様化した1980年代になると、男女の未婚率が急速
に上昇。
今は、家事はオール電化、コンビニの普及、スーパーで
惣菜が手軽に買えるなど、便利な時代になって、
1人でも快適に暮らしていけるようになった。
働く女性が結婚しなくても自立していける。
結婚するしないは「個人の自由」・・そんな考えが当た
り前の時代になった。
良縁を断り続ける娘・・適齢期の娘を持つ母親は気が気
ではない。お見合いに消極的な娘に、親が本気で後押し
しなければ嫁にいかないと、危機感がつのる。
結婚を急かすと、娘は不機嫌になり、口をきかなくなる。
早く片付いて、幸せになってほしいと願う親・・
胸が張り裂けんばかりに切ない。
良縁は「椅子取りゲーム」・・よりどりみどり選べるう
ちが花。「早く結婚相手を見つけないと」親が焦れば、
娘は「特売セールの安売りはやめて!」と反発する。
人生をどう生きるかは、すべて自らの責任・・
「親が薦めるままに結婚して不幸になった」と親のせい
にすることだけは避けたい・・
親が「娘のため」と結婚を急ぐのは、実は親の方が
早く安心したいから・・
年齢など関係ない、生涯適齢期・・愛が芽生えたら結婚
すればいい・・それが一番幸せ。今の若者の結婚観です。