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ことば遊び 「落語・粗忽の釘」

頼れる他人

夫婦でバス旅行に出かけた。
昼食時に突然、グラッときた!

「地震だ!」と、隣にいた男性が
テーブルの下へと促してくれた。

ふと見ると、夫がいない。
1人で外へ逃げたらしい・・

あなたの本心・・分かったわ。



1384 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
ことば遊び 「落語・粗忽の釘」

「粗忽の釘」は「粗忽長屋」「粗忽の使者」「堀の内」
などと並ぶ、代表的な粗忽ばなしです。

♪粗忽者の亭主・・
引っ越しのときは俺に任せろと、家財道具一切合切背負
ったが、動けない・・慌てて、家財と一緒に家の柱まで縛
ってしまう始末だから、動けないのも道理・・
結局、ツヅラだけ背負って先に家を出た。
ところが、いつまで経っても帰ってこない。

かみさんが先に着いて気をもんでいると・・
朝早く出た亭主・・夕方になって、げんなりした顔で
やっと現れた。

なんでも、大通りに出て四つ角へ来ると、二匹の犬が
喧嘩をしているので、「うし、うし」とけしかけたら、
勢い余ってひっくり返った・・

ツヅラを背負っているので起き上がれず、もがいている
のを、通りがかりの人に助けてもらったとたん、自転車
と鉢合わせ。
勢いで自転車が卵屋に飛び込み、卵を二百ばかり
踏みつぶすという騒動・・
警官が来て取り調べのため、ずっと交番に居たという
次第。
ようやく解放されたが、自分が探してきた家なのに・・
今度は新居がどこか忘れた。
仕方がないから引き返して、大家に頼んで連れて来て
もらった・・というわけ。

かみさんはあきれ果てたが・・とにかく、ほうきを掛け
る釘を打ってもらわなければと、亭主に金槌を渡す。
亭主は大工なので、これくらいは大丈夫だろうと安心
していたら・・場所を間違えたうえに、瓦釘という長い
やつを壁に打ち込んでしまった。

長屋は棟続き・・隣りに突き抜けて物を壊したかもしれ
ないと、かみさんが心配して、亭主に聞きに行かせると
・・
向いの家・・「うちじゃない」・・亭主、喧嘩腰で
すったもんだのあげく、隣に行ったが・・

うわさ好きの隣のかみさん・・
「お宅は仲人があって一緒になったのかい?
それともくっつき合い?」
と聞いた揚句・・
『実は、あっしどもは・・』と、ノロケのなれそめ話。

「いったい、あなた・・家に何の用でいらしたんです?」
と聞かれて、ようやく用件を思い出す・・
調べてもらうと、仏壇の阿弥陀様の頭の上に釘!

「お宅じゃ・・ここにほうきを掛けますか?」
と、トンチンカンなことを言うので・・
「そんなにそそっかしくて、よく暮らしていけますわね
・・ご家族は何人で?」

『へえ、女房と七十八になる親父と・・いけねえ、
中気で寝てるんで、元の二階に忘れてきた!』
「親を忘れてくる人がありますか」
『いえ、酔っぱらうと・・ときどき我を忘れます』

*********************************************
時代背景は大正の初め・・
家賃は5円、自転車は50円~150円。
当時の家賃の1年半分に相当し、今の時代200万円の
自家用車と同じくらいに高価だった。

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