■コンピューター対決
囲碁が趣味の私・・プロ棋士とコンピューターの
対決に強い関心がある。
○将 棋
2012年、将棋プロ棋士とコンピューターソフト
が対決する、第1回将棋「電王戦・二番勝負」
が行われた。
2013、14年と、2年続けてソフト側が団体戦
を制し、昨年2015年は3対2でプロ棋士側が
勝利した。
○囲 碁
3月23日、日本のコンピューターソフト「ZEN」
が”三目”置き碁で小林名誉棋聖と対戦し勝利した。
「アルファ碁」同様、人工知能の「深層学習」の手法
を導入し、特に序盤の戦いに強くなっているという。
1370【吉村外喜雄のなんだかんだ】
「人工知能、囲碁トップ棋士に勝利」
英グーグル社が開発した囲碁ソフト「アルファ碁」と、
世界のトップ棋士・韓国の李九段の対局は4勝1敗、
人工知能囲碁ソフトの圧倒勝利で、3月15日終了し
た。
1997年、IBMスーパコンピューターが、チェスの
世界チャンピオンを破り、将棋のプロ棋士との対戦も
勝ったり負けたり・・今やコンピューターの方が強いの
です。
しかし盤面が広く、手数が天文学的に多い囲碁・・
人間に勝つのは早くても10年先と言われてきた。
それがこんなに早く、世界のトップ棋士を打ち負かす
ソフトが開発されるとは・・驚きです。
第4局以外は、アルファ碁が盤面を圧倒した。
「深層学習」という最新の理論を駆使して、過去のプロ
棋士の対局を何と3000万枚読み込ませた。
更にアルファ碁・コンピューター同士を戦わせて、
驚異的な人工知能を蓄えたソフトを完成させ、勝利した
のです。
李九段、第4局で初勝利して迎えた第五局・・
序盤でアルファ碁にミスがあり、李九段有利に試合を
進めた。しかし、その後アルファ碁は、正確な寄せで
盛り返し、勝利した。
弱点も見えた・・第4局の79手目、プロ棋士なら
「ここに打つしかない」とする最善の手を、アルファ碁
は選ばなかった。
次の一手を選ぶのに、様々な手筋がある囲碁・・
アルファ碁は、ある程度絞り込んだ手筋の中から、
勝率の高い手を選んで打ち進める。
最良の手を選びそこねた時点から、次に打つ手にズレが
生じ、それが敗因になった。
今後対戦を重ねれば、アルファ碁の弱点がはっきり見え
てくるだろう。また、過去の常識を超えた新しい定石
も生まれるだろう。
人間とコンピューターの戦いが、新たな局面を迎えよう
としている。
読売新聞