1347 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
「理容師と美容師、何が違う?」
私が通っている美容室・・洗髪・散髪の後、 眉と
アゴに 蓄えたヒゲをハサミで丁寧に整えてくれる。
が、顔一面に伸びたヒゲにカミソリを当てることはない。
以前通っていた理髪店では、蒸しタオルで顔を覆って、
しばらく置いて、それから顔を綺麗に剃ってくれた。
これが気持ちいい・・
理容師と美容師は、国家試験に基づく制度・国が定めた
法律で、両者は画然と分けられている。
理容師と美容師が一つの店で一緒に働く混在勤務は、
原則認められていない・・違法なのです。
昭和から平成へ世の中が大きく変化してきた中で、
この二制度が厳然と守られていることに、疑問と矛盾を
感じるのです。
本来この制度は、戦後の公衆衛生の向上を目的に作られ
たものではないか・・衛生状態が格段に良くなった現代
において、過剰で無意味な規制・制度のように思われて
ならない。
20年くらい前の古い話ですが・・理容室と美容室の
両方を一つのお店で経営している友人。
出入り口が別々の理容室と美容室のお店の真ん中に待合
室を設け、ゆったりとしたソファーと雑誌類を置き、
お客様 へのサービスにコーヒーを出た。
これが法律に触れるとは知らず、理髪店のご主人と世間
話の中で話題にしたら・・店主が急に怒り出した。
「業界では認められない行為だ! 公衆衛生規法に
違反する・・どこの何という店か」と・・
国家資格でこれほど厳格な二制度を維持している国は、
国際的にも類例がない。
美容室は、結髪、カット、パーマネント、メイクアップ
着付けなど、容姿を”美しくする”
理容室は頭髪を刈込み、容姿を”整える”ことにある。
一般的に、美容室は仰向けに洗髪し、理容室は前かがみ
に洗髪する・・これが違いでしょうか。
理容師と美容師が異なるのは、カミソリで顔を剃る行為
・・美容師はカミソリを使うことは許されない。
一方の理容師は、女性客にパーマをかけてはいけない。
この原則の垣根・・美容室では化粧の前に軽く顔を剃っ
たり、眉を整えたり、うじなの無駄毛を剃ったり・・
かなり以前から行われている。
美容室で男性にカットパーマをかけたり、理容室で女性
にパーマをかけても違法ではなく、取り締まりを受ける
こともない・・