■7つの市町村が合併した富山市
将来の道州制の州都を睨んで、平成17年、
7市町村が合併して、新しい富山市が誕生
した。
富山市(321千人)、婦中町(36千人)、
大沢野町(23千人)、八尾町(22千人)、
大山町(12千人)、山田村、細入村
ライバルの金沢を抜いて、北陸No1都市に
なることを夢見て・・
合併による人口は41万7千人になった。
市の人口は富山県全体の約4割、面積は
約3割を占め、広大な富山市が誕生した。
一方、ライバル金沢市は富山市と張り合う気
はないようで、合併ゼロのまま。
人口は46万2千人と、この10年横ばいだ。
1337 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
「元気な北陸(5) ポートラムの走る街」
富山市は今、公共交通を軸としたコンパクトな街づくり
を推進して成果をあげ、注目を集めている。
基本コンセプトは「団子と串」・・公共交通[串]を
交通網[団子]で 結んで、市街地の活性化を図ってき
た。
市内交通の中心は路面電車・・従来からある市電を更に
拡充した・・「環状線」の新設 、最長1時間に一本だった
運転間隔を最短10分に改善し、終電時間を21時台
から23時台にした。
乗車賃は一律200円とし、車両はモダンな低床バリア
フ リー車両。利用者は平日で2.1倍、休日で3.4倍
に 増えた。
交通弱者の高齢者や、自動車免許のない若年層を中心に
、市中心部に出かける市民が増えた。
交通網[団子]への投資も怠らない。
駅周辺19ケ所を「居住推進地区」に指定・・マンション
購入者には一戸50万円、マンション建設事業者には
一戸100万円の補助金を出した。
05年に始まったこの制度により、現在約1450戸が
市中心部に移り住んだ。
「団子と串」効果は、富山市在住の高齢者にも表われて
いる。 富山市のお年寄は、全国平均より1000歩も
多く歩いている・・少し歩けば駅があるので歩くのです。
ちなみに、65歳以上の全国平均歩数は1日6360歩。
公共交通網が発達した都会の人は、よく歩く・・
地方にいくほど車の依存が高まり、歩数が減っていく。
この電車路の売りが、JR富山駅から岩瀬まで結ぶ
「ポートラム」・・江戸時代、北前船の港として栄え、
回船問屋や船主の大家が軒を連ねる岩瀬浜が、
新しい観光地として浮かび上がってきたのです。
回船問屋 森家
こうした取り組みに諸外国も注目・・昨年9月、ニュー
ヨーク国連本部で報告・・10月には、富山市に欧米や
アジアの都市の首長が集まり、国際会議が開かれた。