■定置網漁法
富山湾に入ったブリを定置網で捕る。
定置網漁は、魚の群れを追って捕る漁法とは
異なり”待ち”の漁法だ。
一年中同じ場所に網が仕掛けられていて、
そこにブリが入るのを待って引き上げる。
小さな稚魚は、網の目から抜け出るので、
乱獲を防いでいる。
1335 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
「冬の日本海の王者・寒鰤」
11月27日の早朝、雷鳴と共に初アラレが降って、
道路は真っ白に・・いよいよ冬の訪れです。
毎年11月下旬から12月初旬にかけての或る日・・
海が大時化になり、北風・雷鳴と共にアラレがバラバラ
降ってきて、厳しい冬の訪れを告げるのです。
それを地元では「ブリお起し」と呼び、冬の到来を待っ
ていたかのように、ブリが富山湾入ってくる。
師走から正月にかけて、旬を迎えるブリに与えられた
称号が「寒鰤」。”魚”偏に師走の”師”と書いて「鰤」
・・旬がそのまま漢字になった。
ブリは回遊魚・・餌を求めて春から夏は北海道周辺まで
北上。秋になると暖流に乗って日本海を南下してくる。
富山湾は北に向かって口を開いた好漁場です。
天候が荒れ、海が時化る冬の湾内は穏やか・・
餌を求めるブリが沢山湾内に入ってくる。
立山から流れ込む豊富な栄養分で、プランクトンが育ち
、小魚が集まってくる。
その小魚をエサに、ブリが外洋から湾内に入ってくる。
産卵時期を迎え、脂がのった寒ブリは、冬の北陸の味覚
の王者。 名前の由来は・・アブラのブラがなまって
”ブリ”になったという説が有力です。
成長に伴い呼び名が変わるブリは「出世魚」と言われ、
祝いの席などに出される。
能登では・・35センチ以下をコズクラ、
35~60センチをフクラギ、60~80センチをガン
ド、そして80センチ以上をブリと呼んでいる。
またブリは、良質のタンパク質に恵まれ、ビタミン類も
バランスよく含まれる。DHAやEPAの含有量は青魚
ではトッブクラス。
DHAは脳の働きを高め、EPAは血液をサラサラにし
、血中のコレステロール値を下げる働きをする。