「弥陀ヶ原湿原の餓鬼田」
2012年に立山・弥陀ヶ原・大日平が、ラサーム条約
の登録湿地になった。
国内の登録湿地は、釧路湿原や尾瀬など46ケ所。
その中で標高二千メートルの最も高所にある湿原です。
湿原は、立山の溶岩台地の上に広がり、厳しい寒さと
豪雪、豊かな水、そして強い風にさらされる。
高原には「餓鬼の田」と呼ばれる水溜りが約一千個あり、
池の周りにはワタスゲが群生し、チングルマなどの可憐
な花が咲いている、幻想的な風景が楽しめます。
富士山、立山、白山は日本三霊山です。
中でも立山は、古来より「立山曼荼羅」で知られる、
山岳信仰の霊山としてあがめられてきた。
尾山の頂上付近は、仏様がおられる極楽・・
室堂平真下の地獄谷は、鬼が住む地獄・・
天国と地獄が見られる山として信仰されてきた。
地獄谷につながる弥陀ヶ原には「餓鬼田」と呼ばれる池が
多数点在している。池には稲のような植物が生えている。
この奇妙な名前の池・・立山信仰では、生前に贅沢をして
いて地獄に落とされた亡者が、空腹を満たそうと何でも
口に入れる”餓鬼”になり、飢えをしのごうと田植えをした
場所とされている。
この稲に似た草、食べられるような実がつかない。
空腹と喉の渇きが癒されず、苦しみから逃れることがで
きない地獄なのです。