■フランス小話 「物足りない」
彼はなかなかハンサムなのだが、
ひどく小心な男だった。
その彼が、ある娘に思いをよせた。
娘は、眼に情熱の光をたたえ、
いつも唇が濡れている女だった。
彼は、彼女の前にひざまずいて・・
「お願い! 一度だけ・・
たった一度でいいから、接吻させてください」
と口説いた。
『うるさいわね! あたし・・
そんな野心のない男・・大嫌いよ!』
1290 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
イソップ寓話 「北風と太陽」
イソップは、二千五百年も前のギリシャの奴隷だった人
です。 地位の低い弱い立場にあった彼は、人々に注意
を喚起しようと、主に動物を例え話にして創られたのが、
イソップ寓話です。
人から人へと語り継がれて、世界に広がっていったが、
今日では、子ども向けの童話として広く親しまれている。
本来は、大人のための「人生の教訓寓話」だったのです。
♪あるとき、太陽と北風が力比べをすることになった・・
最初は、旅人の帽子を取ることにした。
太陽はサンサンと旅人を照りつけた・・
旅人は、照りつ ける日差しから身を守ろうと、更に深く
帽子をかぶり、帽子を取ろうとしなかった。
次に北風・・力いっぱい冷たい風を吹きつけると、一瞬
にして帽子は吹き飛んでいった・・北風の勝ちである。
次の勝負は、旅人が羽織っているマントを脱がせる
ことにした。
まず、北風が力いっぱい吹いて、マントを取ろうとする
が、寒さを防ごうと旅人はしっかりマントを抑え込んで、
いくら吹いてもダメだった。
次に太陽、サンサンと旅人を照りつけた・・
すると旅人は暑さに耐えきれず、自分からマントを
脱いでしまった。勝負は1勝一敗の引き分け!
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他人を説伏しようとするとき、相手の弱みを突いて厳し
い態度で接すると、かえって人は頑なになり耳を塞い
でしまいます。
温かく優しい態度で接し、相手を尊重するようにすると
、人は自ら心を開き、言うことを聞くようになります。
この寓話が言わんとすることは、
「変化する状況に合わせて、適切な対応をする」
つまり、一方でうまくいったからといって、他方でうま
くいくとは限らない・・対応を誤らないことへの教訓なの
です。
理念と経営5月号「古永泰夫・オンリーワン経営」