■大正時代に流行した「コロッケの唄」
一.ワイフ貰って 嬉しかったが
いつも出てくるおかずはコロッケ
今日もコロッケ 明日もコロッケ
これじゃ年がら年中
コロッケ コロッケ
アハハ アハハ こりゃ可笑しい
二.晦日近くに 財布拾って
開けてみたらば 金貨が
ザックザク ザックザク
株を買はうか 地所を買はうか
思案最中に 眼が覚めた
アハハ アハハ こりゃ可笑しい
1285 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
ことば遊び 「落語・かんしゃく」
明治末に三井財閥の一族・益田太郎冠者が、初代三遊亭円左の
ために書き下ろした落語です。
♪ある大金持ちの旦那・・大変なかんしゃく持ちで、
暇さえあれば「あそこが悪い、ここが悪い」と小言ばかり言うので、
奥方も使用人も戦々恐々。
今日も、当時はまだ珍しい自家用車で帰宅するや・・
書生や女中をつかまえて、やれ庭に水が撒いてないの、
天井にクモの巣が張っているのと、文句の言い通し・・
奥方には、茶が出ていない、妻としての心がけがなっていないなど、
ガミガミ。座敷で主人の帰りを待っていた客が、恐れをなして退散して
しまった。
それにまたかんしゃくを起し、「主人が帰ったのに逃げるとは無礼な奴、首に縄かけて引き戻して来い・・」と言うに及んで、
さすが辛抱強い奥方も愛想をつかした。
妻を妻とも思わない、こんな家にはいられませんと、とうとう実家に
帰ってしまった。
実家の父は・・出戻ってきた娘のグチを聞いて・・そこは堅い人柄。
いったん嫁いだ上は、どんなことにも辛抱して、亭主をたてるのが
女の道だ。
辛抱すれば、そのうちに情が通って、万事うまくいくのが夫婦だから
「短気を起こすではない」とさとす。
一度、家の者を総動員して、亭主がどこをどうつついても文句が
言えないくらいに、家の中の始末をしてごらん・・とアドバイスして、
娘を送り返す。
奥方、言われた通り、家中総出で大掃除。
そこへ旦那が帰ってきて、いつものように「おい・・いかんじゃないか
入口に箒を立てかけて・・」と見ると、きれいに片づいている。
「おい・・帽子かけが曲がって・・いないか」「庭に水が・・撒いてある」
「ウン・・今日は大変によろしい・・おいッ!」
『まだ何かありますか?』
「けしからん・・これでは・・怒ることができんではないか!」