■荘 子
荘 子(推定・紀元前369~286)は、
中国の戦国時代の宗国の思想家です。
老子とともに道教の始祖のとされ、
老荘思想として道教の神に崇められている。
著書「荘子(そうじ)」は、内編、外編、雑編
からなり、”寓話”を多く用いて、
読む者を夢幻の世界へと引き込んでいく。
1283 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
故事から学ぶ 「井の中の蛙大海を知らず」
■荘 子(外編・第十七)秋水編の中の一文です。
「井蛙は以って海を語るべからざるは、虚にかかわればなり。
夏虫は以って氷を語るべからず・・」
(あなたが井の中の蛙に、海洋のことを分からせることができないのは、
蛙がいる棲みかがごく狭いからだ。
あなたが夏の虫に、氷のことを分からせることができないのは、
その一生がごく短いからだ )
「井の中の蛙大海を知らず」とは、狭い見識にとらわれて、
他に広い世界があることに気づかないまま、自分の住んでいるところがすべてと思い込み、得意がっている人のことを言います。
ところでこのことわざに”下の句”があるとしたら・・
蛙はなんと言うでしょうか?
狐は井戸の底を覗き込み・・
可愛そうに、井戸の底から見上げる世界は、丸くて小さな空があるだけ・・それに引き換え僕は、春・夏・秋・冬、野山を駆け巡り、小川で遊び、楽しいことだらけだ・・
「 井の中の蛙 大海を知らず 」と狐は憐れんだ。
蛙は胸を張って反論した・・「 されど天の高さ(深さ)を知れり 」と
毎日飽きもせず天空の一点を見上げている蛙。日々姿を変えていく
天空。お星さまのことなら誰にも負けないよ・・天に輝くお星さまは、
何と奥が深く素晴らしいんだろう・・狐さんには分からないだろうな。
だからちっとも淋しくないし、狐さんをうらやましいと思ったことはないよ・・
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狐は、人生を広く浅く・・蛙は、一つことをどこまでも深く。
どちらの生き方が良いのか? 本人がそれでいいのなら・・
どちらでも良いではないか。