■江戸の取り締まり
江戸時代・・商家に押し入り、10両以上盗む
と死罪を言い渡される。
空き巣は「出来心」で、戸締りしていない家に
忍び込んだ、ただのコソ泥・・初犯は情状酌量
され、「叩き50」程度の お目こぼしになった。
その叩き・・厳密に数が数えられ、間違えて
一つでも多く叩いたら、現場の役人はけん責
され、時に、首になることもあったとか・・
鬼平火盗改め捕り物帳でお馴染みの「盗賊」は
出来心のコソ泥とは違い、計画的に心張棒を
外して侵入した賊ゆえ罪は重く、土蔵に押し
入った場合は・・盗んだ金額にかかわらず死罪
になった。
1257 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
~ことば遊び~ 「落語・締め込み」
古典落語には、お人好しで正直者や間の抜けた人物が登場する。
八っあん、熊さん、それにボ~っとしていてちょっと抜けた与太郎・・
ふにゃふにゃと頼りなく、いろいろ問題を起すが、愛すべきキャラクターです。
ある長屋へ空き巣に入った泥棒・・
火がおきていて、ヤカンの湯がたぎっているので、まだ遠くには出かけていないと、大慌てでめぼしいものを物色し、風呂敷に包み上げ、ウントコショと退散しようと思ったら・・運悪く主人が帰ってきた。
慌てた泥棒・・包みを放り出すと、台所の床板をはずし、急いで縁の下へ 避難する。
主人・・風呂敷包みに目がいき・・開けると、中は我が家の品物ばかり。
早とちりした主人・・女房に間男ができ、駆け落ちする算段だと勘違い
する。
ちょうど湯から帰宅した女房に「このアマ!とんでもねェやつだ」と一喝。
あらぬ疑いをかけられた女房・・逆上して大喧嘩に発展した。
元々夫婦仲はいいだけに・・お互い掴み合いの大興奮!
どうにも怒りが収まらない主人・・
火鉢にかかっていたヤカンを、女房に向かって投げつけた!
狙いが外れたヤカン・・ひっくり返って熱湯がぶちまけられた。
縁の下の泥棒・・頭から湯をかぶって「アチャチャチャ」と飛び出してきた。
そして、やおら喧嘩の仲裁を始めた。
『旦那・・落ち着いてください・・おかみさんも』
「やい!てめえが間男か!」 『いえ・・泥棒です』
泥棒・・盗みに入ったと白状したので、夫婦は「これで別れずに済む」と仲直り。泥棒さんに感謝して、酒を飲ませてやる。
『これを機会に・・またちょくちょく』
「冗談じゃねえ・・そうちょくちょく来られてたまるか」
すっかりご馳走になった泥棒・・酔いつぶれて寝てしまう。
仕方がねえと布団をかけてやり、夫婦も寝ることにした。
「おい、不用心でいけねえ・・もう寝るから。表の戸締りをしろ!」
『あのう・・泥棒はもう家の中に』
「それじゃあ・・家の外からカンヌキをかけ、締め込んでおけ!」