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吉田松陰の教え・・志

稲盛和夫の志


高い”志”で成功した経営者といえば、京セラ
の稲盛和夫。京セラを創業して間もない頃に、

松下幸之助の講演を聴く機会があった。


講演後の質疑応答で「松下電器はダム式経営

を行っているが、どうしたらダム式経営がで
きるのか」という質問が聴衆から出された。


幸之助「それはダムを造ろうと、強く思うこと
ですね」と答えたという・・「なんだ、当たり前
のことじゃないか」・・会場は笑いに包まれた。


しかし稲盛氏「そうか、ダムを造ろうという
強い思いがなければ、ダム式経営はできない
のだ。自分の会社も、ダム式経営をやろう」


それから寝ても覚めても、このことを忘れず

に取り組んだという。
「現在の京セラがあるのはこの言葉のお蔭」

と、後に稲盛氏は語っている。



1256 【幸せな人生 】    「吉田松陰の教え・・志」


吉田松陰は、弟子たちに「志」を持つことの大切さを教えている。

松陰が、塾生”入江すみ蔵”と書簡のやり取りをした中に、そのことが
言い交わされている。


「松蔭先生は、常日頃”志を持って生きる”ことの大切さ語っておられる

  が、自分にとっての役割とは?志とは何か?・・分からないのです」
と弟子の入江は戸惑った。


「塾生に一番伝えたいこととは何でしょうか?」と先生に問うなら、「”志”を立てることが万物の源となす」と答えるでしょう・・最初に”志”あり

 きと・・

”志”とは、ビジョンのことです。 ビジョンを一言で言うなら
「自分は将来どうなりたいのか?」でしょう・・。

「将来どうなりたいのか・・考えなさい」と先生は繰り返し言われる。


志であれば何でもいいのか・・というと、そうではない。
先生は「地域の ためや、国のためになることを考えなさい」と言う。
先生の言う地域とは、自分が住む村のことであり、国とは藩のことである。 
塾生には「小さな目標と大きな目標、両方同時に考えるようにしなさい」と指導された。

それを今ふうに言うと、船井行雄先生の口癖「世のため、人のためになることを第一に考えなさい」になる。
世の中のためになることが「大きな目標」で、身近な人の役に立つことが「小さな目標」になる。


弟子のすみ蔵、これを聞いてもまだ、「”志を持て”と先生は言われるが、何のことやら・・何をどうしたらいいのか・・さっぱり分かりません」と
答えた。

そこで先生は付け加えた・・目の前に起きることに、全身全霊でぶつかっていきなさい・・それを”至誠”と言う。
目の前に起きたこととは・・鳥に餌をやること、ご飯をちゃんと食べる
こと、箸の上げ下ろし、布団の上げ下げ、庭の掃除、農作業・・
すべて 全身全霊でやりなさい。


「これ以上は出来ない!」と思うまでやりなさい。
そうすることで、心がワクワクしたり、トキメクものにぶつかるでしょう…
それを”真骨頂”と言いま
す。真骨頂とは、その人が持つ”長所”のことです。
どのように生きるかを考えるのは、真骨頂(長所)が何かが分かってか

らでよい。”志”は、己の生きざまの中から生まれてくるものであって、ちょっと頭で考えて生まれてくるような、簡単なものではありません。

己が真骨頂(長所)が見つかって後、自分がどう生きたらいいかを考え 
ればよい。真骨頂を果たすことを”生きる”と言うべし・・と松蔭先生。


自分の長所に則って生きていくことが、志を果たすことになり、自分の
役割を果たすことになる・・と教えているのです。

                                               佐藤芳直「船井行雄から学ぶ」

己の長所を知って後に、自分の生き方が定まる・・経営理念を成文化
する時も、
このようにゆっくり時間をかけて考えることです。

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