■座禅は呼吸法
座禅を組んで、まず背骨を真っ直ぐにして
丹田に意識を集中し、自然な息づかいで腹式
呼吸をする。座禅は呼吸法だと思えばいい・・
吸った息を下腹部に下ろし、静かに長く鼻か
ら吐く・・吸うときは薄く目を開け、吐くときに
目をつむる。そうして、お寺の静寂の中に身
をゆだねる。
丹田呼吸が無意識にやれるようになると、
セロトニンという神経伝達物質が脳内に満ち
てくる・・心穏やかになり、落ち着いてきます。
座禅の最中”無”になろうとしても、雑念は
次々湧いてくる・・止められない。それなら
雑念に囚われないようにするのがよい。
自分の吸う息、吐く息に集中し、呼吸の数を
数えるようにする・・すると、妄想に取りつか
れなくなる。
雑念は、忘れたころに次々出てくるので、
自分の呼吸に意識を集中する。
越前市/お誕生寺住職・板橋興宗
1247 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
「五百羅漢修復」
毎月月初めの1日、寺町の曹洞宗・桂岩寺で、まだ暗い早朝5時から
般若心経を三度唱え、その後座禅を組む。
その桂岩寺には、526体の羅漢が安置されています。
桂岩寺は、江戸初期の1642年、金沢市傳馬町で開基・桂岩和尚の
発願により創建された。
1733年4月26日昼九つ、傳馬町からの出火して焼失※。
現在の寺町に移転して再建された。
1809年、海運天麟和尚の発案により、五百羅漢の安置が始まる。
その後、二代の和尚が引き継いで、残りの尊像を完成させた。
昭和37年、子どもの火遊びから寺は全焼・・五百羅漢のほとんどが焼失した。寺の復興と平行して、羅漢の再興を京都の仏師、吉岡元造、
定一親子に依頼。
二人は、焼失した寺の依頼に応え、その後25年の歳月と人生をかけて、526体の仏像を彫り上げた。
1987年(昭和62)に完成し、奉賛法要が行われた。
あれから三十年、安置してある羅漢の一部が、台座がひび割れるなど老朽化し、傷んできた。
吉岡さん親子は既に亡く、蒲田住職は、父親吉岡元造さんの兄弟弟子を祖父に持つ、京仏師の富田珠雲さん(39歳)を探し出し、羅漢の修復を依頼した。
修復は昨年の7月から始められた・・損傷の激しい仏像から順に、当面2年間で”10体”を目標に、修復当時と同じ”絵の具”と”接着剤”使って、修復するという。
桂岩寺の鎌田住職(31歳)は、檀家などから修復のための寄進を募りながら、住職の生涯の悲願として、五百羅漢の修復に取り組む決意を新たにする。
※金沢・享保の大火
フェーン現象強風の中、傳馬町から出火した火は、河原町、大工町、
十三間町など795戸を焼き尽くした。その3日後、今度は寺町から
出火・・野町、遊郭のある石坂、千日町など537戸を焼失する大火
になった。