■お酒に強い人、弱い人
体内のアルコールを分解する酵素には個人差
があり、血液型のように、両親の遺伝子によ
って、分解能力の強弱が受け継がれていく。
アルコール ⇒ アセトアルテヒド ⇒ 酢酸になり、
水と二酸化炭素に分解されていく。
この過程で、アルコールはADHという酵素で、
アセトアルテヒドはALDHという酵素によって
分解されます。
両親が共に弱い場合と、共に強い場合を対比
すると・・
アルコールの分解能力は 1 : 2.5倍
アセトアルデヒドの 〃 1 : 20~30倍
お酒を楽しく飲める人は、アルコールの分解
能力が低く、セトアルデヒドの分解能力が高
い人です。
アルコールの分解能力が低いと、飲んで直ぐ
赤くなることはなく、翌朝二日酔いが残ります。
1241 【食と健康】
「そこそこ飲める人が危ない!」
飲酒によるアルコールが、体内で分解されてできる「アセトアルデヒド」
には、発ガン性がある。
体内には、この有害物質を無害の”酢酸”に分解する酵素が存在する。
この酵素の遺伝子には「正常型」と「欠損型」があり、日本人の約5%が、両親からともに欠損型を受け継いだ「完全欠損型」になります。
お酒が全く飲めないので、発ガンリスクを心配する必要がありません。
両親からの遺伝子がともに正常の「正常型」の場合、アセトアルデヒド
が 体内に蓄積しにくく、ガンの危険度は低下します・・白人や黒人の
ほとんどがこのタイプです。
洋画で、ウイスキーをストレートかロックで飲むシーンが見られるよう
に、欧米人でお酒が飲めない人はまれです。
故に、飲酒による発ガンの危険は、日本ほど切実ではありません。
反面、アルコール中毒患者が多く、社会問題になっている。
両親から貰う遺伝子のどちらか一方が欠損型だと「部分欠損型」になります。日本人の45%、東洋人の3~4割がこのタイプで、顔が赤くなる
ものの、そこそこ飲める私のようなタイプです。
こういう人が、仕事の付き合いなどで、無理をしてお酒を沢山飲んでいると、ガンになる危険度が高まります。食道ガンになるリスクは、 飲まない人の”10倍”になるというから・・恐ろしい。
このタイプの人が、毎日日本酒を晩酌で3合飲み、同時にタバコを吸っていると、過去のデーターから、そのリスクは何と”30倍”になると、
医師は警告する。
逆に、このタイプの人が、お酒を1合程度に控えたら、日本人の食道
ガン患者は半減するという。
私の父は全くの下戸でした・・日本酒をお猪口で1~2杯飲んだだけ
で、酔って寝てしまう。我家のお正月・・家族揃ってお猪口にお酒を
注いで
乾杯して新年を祝う・・お酒はそれでお終い。お正月は、お銚子1本用意すれば間に合う家庭だったのです。
私は六人兄弟の真ん中・・「部分欠損型」で、社会人になって、360
ミリリットル缶ビール一本ようやく飲めるようになったが、直ぐまっ赤
になる。
酒豪だった父親の遺伝子を受け継いだ私の妻・・夫の私は、家では
あまり飲まないので、どれだけ飲めるのか、いまだに不明です。
一番下の妹は、兄弟で一番お酒に強かった・・一見「正常型」に見え
た。
その実「部分欠損型」だったのでしょう。40歳の頃居酒屋を始めて、 タバコの煙がむせぶお店で、お客さま
に薦められるまま飲んでいたら、五十歳過ぎに、ガンで3ケ月と言わ
れ、ぽっくり逝ってしまった。