■飲んで顔が赤くなるのは東洋人
お酒に含まれるエタノールは、肝臓で
「アセトアルデヒド」という物質に変わります。
エタノールは消毒に使われるくらいで、
毒性は低いのですが、アセトアルデヒドには
発ガン性があります。
アセトアルデヒドは、酵素で酢酸に分解しま
す。しかし東洋人には、その分解酵素の遺
伝子に、変異を持つ人が多いのです。
飲んで顔が赤くなるのは、発ガン物質が体内
にたまっていることを示している証しです。
1240 【食と健康】 「お酒と癌」
年末の忘年会続きと、お正月のお餅とおせちで体脂肪が増え、
お腹がせり出してきたようだ。 お酒が大好きなのに・・お酒に弱い私。
生ビール一杯で顔が真っ赤っかになってしまう。
ところで、過ぎたる飲酒はたばこに次ぐ発ガン要因になるので、要注意。
食道や咽頭、肝臓や大腸などにできる癌のリスクを確実に高めます。
例えば、日本酒を毎日銚子4本飲む日本人の男性は、大腸がんになる
リスクは”3倍”になる・・
数年前、某大学が女性を対象に、日常生活のリスクを大きい方から
順位をつけさせたところ、最も高いリスクと答えたのは原子力発電所で、2位は拳銃、 3位は食品保存料でした・・
たばこは8位、お酒は21位と、リスクに対する意識は、思ったより
低かったのです。
現実は、たばこのリスクが断然トップで、2位はお酒、3位は車の運転による事故でした。尚、食品保存料のリスクは27位で、一般に言われる
ようなリスクには当たらず、 日頃女性が感じている恐いリスクと、大きなズレがあるようです。
ガンになる原因のトップはタバコです・・たばこを吸わない人でも、
副流煙(間接喫煙)でガンになることは、よく知られている。
一方の飲酒によるリスクは、明らかに軽く見られている。
日本の社会は、欧米に比べて飲酒には寛大です。泥酔して電車の中で
眠りこける会社員など、西欧では見られない光景です。
白人はお酒に強い・・飲んで顔が赤くなる人は稀です。
アルコールで顔が赤くなるのは、東洋人にのみ見られる現象です。
世界の人口の約8パーセント、五億四千万人がこのタイプになります。
中川恵一「がん社会を診る」