男の言い分 「やめられない夜食」
■ダイエット
妻と伊豆のダイエット道場を訪れ、減量に挑
んだのは一昨年のこと・・初回6キロ、二年目
も6キロと、計12キロの減量に成功した。
減量後は、お酒のつまみ、スナック菓子の買
い置きはご法度。主食のご飯も、子ども茶碗
一杯に・・
夜十時頃、むしょうにお腹が空いてくる・・
我慢できなくて、ビールとつまみを用意する。
週に1~2度だったのが、今は飲みたいとき
に用意するようになった。
「また体重が戻ったらどうするの!」って、
妻に嫌味を言われ・・気づいたら4キロ体重が
戻っていた。
太ったらまたダイエットすればばいい・・
心の奥のつぶやきが聞こえてくる。
1207 【食と健康】
男の言い分 「やめられない夜食」
夜12時過ぎ、妻の寝息を確認してキッチンに忍び込む。
湯を沸かしてカップ麺を作り、リビングで音をたてないよう麺をすする。
すると後ろで「ガタッ」と音がした。心臓が凍る思いで振り向くと、テーブルのリモコンが落ちただけ・・ああ、命拾い。
こんなに恐る恐る夜食を食べるようになったのは、いつからだろう。
受験生当時は、母がよく夜中にチャーハンを作ってくれた。
独身・独り暮らし時代は夜食天国。
お腹が「グゥ~」と鳴ればコンビニへ出かけ、菓子や炭酸飲料を買いあさった。
だが、結婚がこの楽しみをすべて奪った・・新婚のある晩、残り物のギョーザをつまみに、夜更けの一杯を始めたら、妻に「信じられな~い!」とつぶやかれ、凍りついた。
以来、「あなたの健康のため」と夜食は禁止・・深夜のカップ麺は明らかな裏切り行為だ。
だが、最近はその罪の味に魅了され、余計に止められなくなった。
だいたい月一、二回夜食を食べたところで、健康にさしつかえる影響はない・・要は見つからなければいいのだ。
翌朝はゴミ当番の日、空のカップ容器を押し込んだゴミ袋を手に、
玄関のドアを開ける。
そのとき背中から「夜中に食べたでしょう・・」と妻の冷たい声
すべてお見通し・・振り向かず・・逃げるように家を出た。
日経新聞「女と男のいい分」