■伊達正宗の五常訓(処世術)
仁に過ぎれば 弱くなる
(人を大切にし過ぎれば、相手のためになりませんよ)
義に過ぎれば 固くなる
(正義わ振りかざすと、融通がきかなくなりますよ)
礼に過ぎれば へつらいとなる
(礼儀正しさも過ぎれば、相手に対する嫌味になりますよ)
智に過ぎれば 嘘をつく
(頭が良すぎると 平気で嘘をつくようになる)
信に過ぎれば 損をする
(他人を信じ過ぎると 損をしますよ)
1184 【心と体の健康】 ~賢者・名言の智恵~
「伊達正宗の五常訓(処世術)」
世渡り上手・・伊達正宗の「五条訓」の言葉の根底にあるのは「仁義礼智信」で、儒教の基本的な”五つの徳目「五常」”を言います。
五常は、孔子が「仁と礼」を説いた後、孟子が「仁義礼智」の四つを説きました。その後、漢の蕫仲舒(とうちゅうじょ)が、これに「信」を加えて、
「五常」になったのです。
この伊達正宗の五常の遺訓を、わかりやすく現代語にすると・・
仁・・人を大切に思うことは大事だが、行き過ぎると他人の為にも、
自分為にもならない。
義・・正義や筋を通すことは大切だが、そればかりに縛られると、物事
に柔軟に対応できず、融通がきかなくなる。
礼・・礼を尽くすことは大事だが、礼ばかりに気を使うこと、また行き過
ぎた礼は、相手に対して逆に失礼で、嫌味になる。
智・・頭でっかちになり、机上の浅知恵を信じていると、結果として嘘を
ついたり、策に溺れることになる。
信・・何でもかんでも、他人の言うことを信じ、それに振り回されている
と、損をしてしまうことになる。
「気ながく心穏やかにして よろず倹約を用い 金を備うべし
倹約の仕方は 不自由を忍ぶにあり
この世に客に来たと思えば 何の苦もなし
朝夕の食事は うまからずとも誉めて食うべし
元来、客の身なれば好き嫌いは申されまい
今日の行くおくり、子孫兄弟によく挨拶して、
娑婆のおいとま申するがよし 」
『もっと気分を楽にして、素直になって、穏やかにし、この世に”お客さん”になって生まれて来たと考えれば、何も苦しいことはない。
人は生まれることで初めて、この世に生きているのであり、死ぬことでこの世とは別れて、再び旅立つのだから・・
つまり、この世にお客さんとして生まれて来たことにする・・。
毎日食べる食事は、粗末であっても、おいしくなくても、この世に客として
招かれているのだから、そもそも文句など言えるはずがない。
感謝の気持ちを持って、ありがたくいただくべきである。
間もなく、私はこの世を離れていくが、子や孫や兄弟に「ありがとう・・
おまえたちも頑張れよ」と声をかけて、旅立っていくのが幸せである 』