■「釣りバカ日誌」は落語そのもの
落語には、観客をホロッとさせる人情噺が多
い。
二十年以上連載が続いた、国民的人気映画
「男はつらいよ」と「釣りバカ日誌」は、落語の
登場人物そのもの・・
車寅次郎こと「フーテンの寅」とその家族、
タコ社長に笠智衆演じる住職・御膳様・・
方や、「はまちゃん」浜崎伝助家族に、
「スーさん」鈴木建設社長・鈴木一之助、
佐々木課長などが、珍騒動を繰り広げるが、
何れもそのまんま、落語のバカ噺です。
味噌・醤油に落語・・日本人には欠かせない。
癒しを与えてくれるのです。
1170 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
~ことば遊び~ 「落語の楽しみ方」
落語と他のお笑いとの違いは・・最後に”おち”がある噺で、1人で何人もの人物を演じ分けるのが、落語です。
高座で落語を演じるとき、初め「まくら」という導入があり、本題の物語を演じて、最後に「おち」で締めっくくる。
落語には、古典落語と新作落語がある。
師匠から弟子へと受け継がれ、現在も高座で語られる伝統芸です。
題材は、町人や武士が主役の噺、与太郎噺、のんべえの噺、廓噺、人情噺などいろいろ・・聴き手は、思い々の情景を想像して、落語を楽しむのです。
周りの観客が笑っているのに、何が可笑しいのか分からないときがある。古典落語は、江戸や明治の時代に作られたものが多く、その演目の背景を知らないと理解できず、笑えないのです。
落語は、聞いて面白いと”思う”ものではなく、面白いと”感じる”ものなのです・・落語のオチが素晴らしいと、面白さが二倍にも三倍にもなります。「この噺は何のオチなのか」ということを思考するのではなく、
「どうオチるか?」ということにつきるのです。
古典落語の主役は、お人好しで正直者、間の抜けた人物が多い。
「八っあん、熊さん、松つぁん、竹さん、梅さん」・・長屋のご隠居に物を尋ねに来る若い衆です・・八っあんの出番が一番多いようです。
ボ~ッとしていて、ちょっと抜けている「与太郎」は、おバカキャラ・・ふにゃふにゃと頼りなく、いろいろ問題を起しますが、愛すべきキャラクターです。
落語の登場人物「御隠居さん」も大切なキャラクター・・
相談ごとは「お世辞の言い方」だったり、「婚礼での挨拶や、余興のやり方」だったり、懇切丁寧にアドバイスしてくれるが、肝心の教わる方がだらしがなくて・・。
それに「若旦那」・・親から勘当されるような親不孝者で、女好き。
また、落語に出てくる「おかみさん」はしっかりもの。
「大家」は、家賃の取り立てで登場してくる。
落語に欠かせないのが、きっぷのいい江戸っ子・・強情でケチでテレ屋で、ギャンブル好き・・宵越しの金は持たないが、お節介焼きで、しかも熱い。
江戸に住みついて、三代目の頃にようやく「江戸っ子」として、周りから認められるようになるのです。