■JR・・車内販売のプロ
混み合う通路をかきわけるように進む・・
特急サンダーバードの車内販売がなくなる。
山形新幹線の車内販売で、一日50万円売り
上げる辣腕販売員がいるという。
まず入り口で、その日の客層を見る。
客と目を合わせてゆっくりワゴンを押す。
子どもが多いと、菓子やジュースを低い位置
に移す。
山形県内に入ると、方言で名物弁当をすすめ
る。お客様のためにではなく、「お客様の立場
になって売る」
車内販売に「接客業の原点」をみるのです。
北国新聞「時 鐘」
1168 「吉村外喜雄のなんだかんだ」
~幸せな人生~ 「てんびんの詩(2)」
今の時代の多くの若者は、苦労に堪える経験をしていない。
折角難関を突破して就職した会社を、我慢できないからと半年もせずに辞めていく。
離婚理由の「性格の不一致」のように、「自分が思う仕事でなかったから・・自分が望む部署に配属してもらえなかったから」だと言う。
就職わずか数か月で、「自分が思った仕事ではなかった」と辞めていくのは、早計過ぎはしないか・・
以下、近江商人の物語「てんびんの詩」前号の続きです。
母「あせったらあかん! 一度決めたら最後までやり通すことだ・・
途中で投げたら、後悔することになるえ・・」
父「商いは天秤棒といっしょや・・どっちが重とうてもうまく担がれん。
お客と、売り手の心が一つになったとき、初めて商いが成り立つん
や」
母「うまいこと売ろう思うたかて、あきしまへん! 一所懸命生きている姿
を知ってもらうしか、あらしまへん・・正直な子やな、優しい子やな、
信頼できる人間やな、役に立つ人やな・・と思わはるさかい、
商いがでけるんや・・」
祖母「親戚に頼ったり、家柄でモノを売ろうとするさかい、
売れしまへんのや・・自分の商いをせなあきません・・
誰の力にも頼らんと、自分の知恵と・努力と・人柄で、商いをするこ
とや・・」
「お前は、自分のために鍋蓋売ろうとしとるやろ・・
自分の都合ばかり考えとらんと、人のために商いをすることや・・」
「商いとは、お客様のお役に立つためにするもんや・・
人の役に立ってみなはれ・・そんな人、誰からでも好かれ、
モノが売れるようになるんや」
「家業を継ぐとは、自分をころして、お客様や取引先、
お店のみんなのために奉公することや・・」
「商人に一番大事なのは、買うてくれるお客様の気持ちになって、
商いをすることや・・」
<ふと鍋ぶたを川に流せば売れるのでは・・と頭をよぎりったとき> 大作「人の道に外れたことをしては、商いはない・・」
<鍋蓋が売れた!>
「おばさんは、鍋ぶた買うてくれるより、もっと大事なものをくれはった
・・商人になるための一番大事なもんや!」
「それまで私は、親戚やからと甘えとった・・
ただ鍋ぶたが売れればいい・・それだけしか考えなんだ
買うてくれる人の気持ちなんぞ、考えもせんかった」
ようやく売れた・・モノが売れた喜びと、見ず知らずのお客様が、
私を抱きしめて泣いてくれた感動が・・一緒になって・・商人ほど
素晴らしいものはないと思うた。
「売るもんと、買うもんの心が通わなんだら・・モノは売れんのや」
ということを痛いほど知りました。
始める時に父親が「売れたら分かる」と言うた意味・・
売れてみて初めて、「これが言いたかったんや・・」と分かりました。
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古き良き時代の商人の物語「てんびんの詩」・・観るたびに沢山の気づき
や学びがあるこの映画から、”商人の心”を学ぶのです。
どれほど時代が変わり、世の中が変わろうと、商いの道に変わりはない・・ 人と人との心の結びつきは永遠です。
「てんびんの詩」は、第二巻「朝鮮での商い」、第三巻「大平洋戦争から
戦後へ」と、時代にほんろうされ、度重なる苦難を乗り越えながら、新たな 希望に向かって、商いの道を極めていく・・そんな感動の三部作です。