■「仕事と人生」 川人正臣編
自分の仕事ができなければ 何をやっても
うまくいかない・・逃げたらダメなんだ。
徹底的に仕事のことを考えなさい。
困難はそのとき辛くても、必ず将来の飛躍に
なるから。
仕事が行なんです・・仕事以外に何かあるので
はない・・仕事そのものが行なんです。
相撲取りは、稽古をしないとダメ。
稽古をする以外に上手くなる方法はないんで
す。
自分の仕事に打ち込んで、誰にも負けない
ところまでやりなさい。本気でやっていれば、
必ず最後には、自分を褒めるようになります。
1167 「吉村外喜雄のなんだかんだ」
~幸せな人生~ 「てんびんの詩(1)」
新入社員教育で恒例だった「飛び込み研修」が行われなくなって久しい。
今の時代の若者の多くは、苦労をした経験がない・・研修の途中でついていけなくなり、自信をなくして、せっかく就職した会社を辞めていくのです。
ふと、映画「てんびんの詩」を思い出した・・老舗の息子が、跡取りに認められる条件は・・鍋蓋を売ってくることです。
三十数年前、故”竹本幸之祐”監督(石川県羽咋出身)が映画化した、近江商人の物語です。
当時、研修や社員旅行で何度も使われたこの映画・・物語の終盤、
鍋蓋が売れた瞬間は感極まって涙が溢れ、止まらなかった名作です。
映画では、教訓として心に響く名言が随所に語られる・・
以下は、その一部を抜粋したものです。
<出入りの大工に売りつけようとして、断られる>
母「働く人の喜びや、しんどさがわからんようでは、人の上に立てやしま
へんえ・・人に出会うて、ご挨拶も出けんで、あきんどになれますか!」
「商人は、自分を恥ずかしめるようなことをしてはいけません・・
頼みます、お願いします・・て、頭下げて、売れるもんやおまへんえ・・」
<鍋蓋を売りに出た初日・・梅干しだけの日の丸弁当に腹を立て・・>
祖母「代々、分をわきまえることを大事にしてきました・・儲けの少ない
時は始末をして、極力出を抑えることや・・ご先祖が梅干しや塩をな
めてしのいできたさかいに、今日があるのです」
「日頃からあきんどは質素でなければいけません。しかし、商いのた
めやったら惜しみなくお金を使う。楽をするためや、贅沢のためにお
金を使こうてはなりませぬ。自分が始末してでも、お客にちょっとでも
有利な商いをする・・そのためにお金を使うことや」
※『質素倹約を旨とし、入りに見合う出を図る』・・私の父も、 商家の心構えと、家族に言って聞かせた。
百姓「百姓はなんぼ頑張って精を出し、きばっても、入ってくるもんには
限りがある。食うだけで苦労して、一生終わるのが百姓や・・
それに引き換え商人はいい・・己の才覚と努力で、いくらでも発展する
やないか」
<子を思い、お百度参りをする母親に・・>
祖母「子は今、親離れするための行をしとるとこや・・
母親だけが辛いんではない・・子の修業は親の修業でもある。
大作も・・それくらいの苦しさを乗り越えれんようでは、跡取りにはなれ
しません。苦しさを乗り越えんと、一人前の人間にはようならん・・」
~次号に続く~