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世界一素晴らしい日本料理-2

フランス料理と中華料理は、大帝国の宮廷料

理として発展してきた歴史がある。


富を背景に、領土内の各地方・民族の料理法
を糾合し、珍味食材を集め、多くの料理人に

腕を競わせ、多彩で豪華な料理文化を生ん

できた。

対する日本料理は、食材・・特に魚の種類の多

さにその特徴がある。食材が多いと、それだけ

料理の種類も多彩になる。


中東や欧米の料理は種類も少なく、海外旅行

で四・五日もすると、出される食事に飽きて、
日本料理が恋しくなってくる。



1153 【食と健康】

「世界一素晴らしい日本料理-2」


日本人は、何事にもこだわりを持って、追及したがる性格のようです。

物事を徹底的に突き詰め、道を極めようとする姿は、料理の世界でも同じで、料理人たちが料理を突き詰めるほど、日本料理は料理ごとに専門店化し、味を競うようになる。


これは、カレーライスやラーメンにも言えます・・札幌ラーメン、喜多方ラーメン、博多とんこつラーメンなど、日本各地には様々な特徴的ラーメン文化が存在する。
北陸では、魚醤をスープに使った富山のブラックラーメンや、野菜たっぷりの石川の八番ラーメンなどが知られる・・


また、京都駅伊勢丹の「京都拉麺小路」のように、全国の有名ラーメン店が集まって味を競う「食のテーマパーク」が全国に見られるのも、日本独自の食文化であり、海外には見られない。


近年、日本の有名ラーメンチェーンが、北京や上海、ニューヨークに
進出するようになった。金沢に出店している、博多一風堂のニューヨーク店は80席もあり、常時満席だという。
西欧人は猫舌で、麺をズルズルすする恥ずかしい食べ方をしない・・
ダシはやや温めに、 麺は食べやすいよう短く切ってある。

麺一品で食事を済ませる習慣のない中国・・食事の最後に、小さな椀に入った麺を食べるが、日本のラーメンとは異なる食べ物です。


外国から日本に入ってきて、独自に進化し、日本料理になったものには「天ぷら」がある・・17世紀にポルトガルからもたらされた、南蛮料理が元祖。

「とんかつ」は明治になって、オーストリア料理のシュニッツェルを模して作られたもので、当時はハイカラな”洋食”だった・・庶民の間に広く普及するようになって、和食になった。


韓国から日本に伝わり、今や日本人の大好物「焼肉」・・しかし、韓国の焼肉とは形式も質も異なる。

韓国では、サムギョプサルやコプチャンなどに専門化されているが、
日本では一店舗で、豊富な種類の肉を”上中下”の質に分け、 しかも塩・タレ・醤油などを選べる多彩なメニューが用意されている・・


韓国の焼肉文化は、千年以上の歴史があって、高度な料理文化を形成しているが、こと焼肉に関しては、日本で食べる方がおいしい。

盛岡冷麺も、韓国の冷麺とは異なるが、食べ比べたら日本の方がおいしい。

スパゲティナポリタンのように、日本人は世界各国の料理を採りいれて、日本独自の、日本人好みの料理に進化させ、世界のどこにも負けない日本料理に昇華させていく能力に優れているようです。

         PHP新書/竹田恒泰著「日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか」

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