■味 覚
西洋人は味覚を四つに分類する・・
「甘い・すっぱい・塩辛い・ぴりっと辛い」
の”四味”である。
中国人はこれに「苦い」を加えて”五味”
この五つつの味を調和させたのが
中華料理です。
日本料理は、さらに「うまみ・こく」を加えた
”六味”を調和させた料理です。
1144 【食と健康】 「日本人の味覚」
低カロリーで健康的な日本食が、世界で注目されるようになった。
日本料理の決め手は「うまみ」・・そのうま味の決め手になるのが「ダシ」です。日本の伝統的なダシは、肉の脂肪のおいしさに匹敵するという。
「ダシ」には、グルタミン酸の昆布、イノシン酸のかつお節、グアニル酸の椎茸などがある。それらを組み合わせて使用し、煮たり、乾物を水に浸して、徐々に成分を抽出する。
「うまみ」は魚を生で食べるより、”生干し”にしたほうがうまい・・
うまみのもと、アミノ酸が発生するからです。
”鰹節”もそう・・蒸し鰹を天日に干して、カビさせる・・このとき、菌糸が
中まで入って発酵を促し、うまみが凝縮され、永久保存の鰹節になる。
椎茸も、生を天日に干すと、ビタミンKとグルタミン酸とアミノ酸ができて、うまみが増す。
日本人の素晴らしさは、昆布ダシから”味の素”を発明したことです。
日本料理の要点は、素材を活かすことにある。
欧米人と日本人とでは、根底から料理に対する考え方が違います。
欧米人は、長時間かけて美味しいソースを作り、それで素材を食べる
調理法。
一方日本料理は、一生かけて美味しい素材を求め、素材の風味を壊さないようなダシを使う。
中国や西欧のダシは、骨や肉を2時間も3時間も煮て、ダシを 作る。
煮込むことで、ゼラチンもうま味も全部濃厚に出てくる・・ コクが出てくるのです。
豚骨ラーメンスープのように、煮込むことでゼラチンとうま味が濃厚に出る。コクがあるということは、ダシを取る素材の”雑味”が全部出るということです。いろんな味がするダシが、素材の味を消してしまうのです。
昆布や削り節をしっかり煮込んで取ったダシで、日本料理の煮物を作ったらどうなるか・・味が分厚くコクがあって美味しい・・しかし、家庭味になってしまう。
だから日本料理の板前は、味が分厚いコクのあるダシは「使えない」という。彼らは、コクとか分厚さを犠牲にしても、純粋なうま味のダシを使いたいのです。
和食の基本になるダシに鰹だしがある。すっきりとしていながらも、魚のうまみが凝縮されている。味噌汁、お吸い物、煮物などの日本料理には欠かせません。
削り節を沸騰直前の昆布だしの中にザ~ッと入れて、混ぜもしないで
1分たったらそのままろ過する・・かつお節「一番ダシ」です・・うま味は少ないが、香りがよい。
一番だしの取り方は、この煮出し法のほかに、水出し法、煮炊き法がある。
一番ダシを取った後の削り節に、再び水を入れ、火にかけて、削り節を足して取るダシを「二番ダシ」という・・香りは少ないがうま味が出て、コクのある力強いダシが取れます・・煮物や味噌汁に使われます。