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立川談志/羽団扇(はうちわ)

明けましておめでとうございます。

「吉村外喜雄のなんだかんだ」

今年も、よろしくお付き合いください。



1136 【吉村外喜雄のなんだかんだ】

~ことば遊び~ 「立川談志/羽団扇(はうちわ)」


今年最初の噺は、立川談志アレンジしの得意ネタ、初夢を題材にした

「羽団扇」です。 元々は長編古典落語「天狗裁き」の前半部分を、上方の三代目桂米朝が、一席の落語に復活させたものです。


♪正月2日の夜、七福神の刷り物を枕の下に敷いて寝ると、

初夢が見られるという。

年始回りをして、ほろ酔いで帰ってきた亭主が、先に寝るという。

「お宝が枕の下に敷いてあるから、良い初夢を見てね・・」

との女房の言葉を耳に、寝付いた。


寝言や笑い顔が・・起して聞くと『夢は見ていない』という。

「あんた!私に言えない夢を見たのでしょう」って、喧嘩になった。


そこに仲裁人が入って、なだめたが『夢は見ていない』の一点張り。

「それでは・・こうしてくれる」と、襟首掴んで空高く放り上げられた。


落とされたところが、鞍馬山であった。

木の上に天狗がいて、「ワシが連れてきた・・」という。


羽団扇(はうちわ)で飛んで、貴様の家の上を通ると、

夢の話しで喧嘩をしていたから、ここに連れてきた。


女房にも言えない面白い夢を見たようだから、「話せ」という。

「話したら帰れるが、しゃべらなければ八つ裂きに・・」と脅した。


では・・と、でたらめな花火の話しを語り出したが、

落語家は噺をするとき、扇子を持っている。

だから『その羽団扇がないと話せない』と強引に取り上げた。


夢中で話しているように見せかけて、羽団扇(はうちわ)をあおぐと

・・身体が浮いて・・天狗が制止するのも聞かず扇ぎ続けると・・

森の上を飛んでいって・・大海原のど真ん中に出た。


落ちたところが、七福神の宝船の中。

今まさに・・正月吉例の宴会の真っ盛り。


仲間に入って、綺麗な弁天様にお酌をしてもらい・・ご機嫌で 恵比寿様にも勧めたが、恵比寿ビール以外のお酒は駄目だという。
肴は恵比寿様が釣った鯛のお刺身・・これがまた美味しい。

飲んで食べて、芸をする間もなく寝入ってしまった・・

と、弁天様に起される。

女房であった・・弁天様と女房がこんがらがって・・

女房は弁天様と呼ばれて喜ぶし・・夢を見ていたことが初めてわかった。


早速、女房に夢の話しをしたら、

女房「春早々、縁起の良い夢でよかったね」とご機嫌で、

七福神ってどんな人たち?


何度数えても・・六福神しか思い出せない。

「あとの1人は?」と聞かれたが・・亭主窮して、
『いっぷくは、吸い付けタバコで・・飲んでしまった』

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