■橋下市長・・日本の民主主義議論を語る
2012.3.3
『日本には、物事を決定する民主主義が根付
いていない。
民主主義の要は”議論”だが、日本の議論は
誰かが意見を言うと、それに反対するのみで
ある。
反対する側は、反対するだけ・・反対するだけ
で許されるのが日本の議論。本当の議論とは、
反対する側も、自らの対案を示さなければな
らない。
会議では、出された具体案を相互に批判し、
自案の優位性を主張する。
意見が出尽くしたところで、双方の案の良い
ところを重ね合わせ、良い方を選んでいく。
日本の議論は、ある主張とそれに対する反対
論のみ。反対する側は反対するだけ・・
なら「あなたの具体案は?」と問うと、何も答
えられない。
政府・野党間の議論は、日本の民主主義を
ダメにしている。政治家の多くは、全くその
ことに気づいていない 』
1127 【吉村外喜雄のなんだかんだ 】
「国会議員よ!論議をつくせ」
12月5日の参院委員会は大荒れだった。
「行政府が法案を提出し、立法府の審議を経て、過半数の賛成で成立する」と日本国憲法56・59条で定めている。
過半数の賛成で法律は通るのだから、自民、公明両党は政府案のまま成立させることもできたが、みんなの党、維新の会の要求で、法案を手直し配慮した。
その結果、両院とも四党を合わせれば、総議員の三分の二の「国民の代表者」たちが賛成していることになる。
民主党などの法案への反対意見は、国会の外で国民に直接アピールすることもできる。その主張に多数の共感が得られれば、次の選挙を通じて政権が交代する。
それが、間接民主主義を採用する、日本の民主主義のルールである。
にもかかわらず、この法案について「民主主義の破壊」などと、議長に罵声を浴びせ、詰め寄る議員たちがいる。
主張の違いがあるとしても、「国民の代表者」たちの多数の声を無視して、少数政党の言うとおりにせよ・・というのは「憲法の規定を無視せよ」というに等しい。
最後は採決で決めるのは民主主義のルールだ・・それまで阻止するのは、少数者の横暴でしかない。
議決の仕方を知らないと、何も決められなくなる・・決められないから、
根回しが必要になってくる。
少数政党がこうした不毛な戦術に出るのは、会期末までに成立されなかった法案は、廃案になるからである。
「国会改革を阻む元凶」・・その元凶を最大限利用し、法案の採決を妨害する民主党も、今年の五月「日程で追い込まれて、議員同士の熟議ができない・・見直しを提起したい・・」と言っていたではないか・・
民主主義論議の根本を破壊しているのは、「多数決の横暴」を声高に、審議を実力阻止しようとする国会議員たちである。
12月6日 読売朝刊