■TPP「聖域」除外220品目、検討へ
政府は10月10日、米や麦など重要な農産物586品目
のうち、約220品目の関税を無くすることができるかを、
検討する方針を固めた。
TPPの関税交渉で、日本は関税率ゼロの品目を増やす
よう求められている・・
政府は「米・麦・砂糖・乳製品・牛肉・豚肉」を、農産物
の重要5項目として、関税を無くさない”聖域”にした。
今後、米粉製品の一部、キャラメル、チューインガム、
牛タン・レバーなどについて、関税をゼロにしたり、
関税率を減らせないか、11月中旬までに検討結果を
取りまとめることにした。
[牛タン] 国内消費の90%輸入(関税率12.8%)、
国内生産者への影響は少なく、関税ゼロに
すれば、消費者はその分安く買えます。
朝日新聞
1119 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
「TPP交渉と日本酒関税撤廃」
TPP(環太平洋連携協定)・・各品目、関係国の利害と損得勘定がからんだ駆け引きが、年内を目途になされている。
事例を挙げると、日本は「日本酒の輸入関税撤廃」を、関係国に求めていくことになった。
世界は今日本食ブーム・・日本酒の輸出は年々増え続けている。
2012年の日本酒の輸出額は89億5千万円・・十年前の2.5倍になった。
日本酒の輸入関税は、マレーシアが1㍑当たり約800円、ベトナムは輸入価格の35.5%の関税を課している。
シンガポールやオーストラリアは関税ゼロです。
少子高齢化で縮小していく国内市場・・日本政府は、日本酒を成長産業にするため、輸出に力を入れている・・関税が撤廃されれば追い風になるだろう。
当然その見返りに、日本が輸入ワインに課している関税の撤廃を求めてくるだろう。
TPP以外の南米チリとの二国間協定では、日本酒の関税を撤廃してもら代わりに、ワインも段階的に関税を撤廃することになった。
EU(欧州連合)とも経済連携の交渉を進めていて、TPPでワインの関税が撤廃されたら、フランスなどワインのブランド力の高い国々が、一斉に関税撤廃を求めてくるだろう。
TPP交渉の成り行きは、世界の国々の利害がからんでくる重大事なのです。
日経新聞