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今こそ憲法九条を考えるとき

「韓国軍、竹島で上陸訓練を行い、韓国メディアに公開」
「沖縄近海に中国軍機4機・・自衛隊機緊急発進」
日本政府は、その度に遺憾の意を相手国に伝え、抗議
するも、暖簾に腕押し・・                      10/26 中日


「日本政府が、領空侵犯した無人機を撃墜すると言明し
  ているが、中国機にこの措置が取られた場合は、一種
の戦争行為ととらえる」と述べた・・       10/27 読売

日本は国防軍を持たない故、隣国「中国や韓国、ロシア

にナメられるのだ」と、はがゆい思いをしている人が多い。
日本政府は、国内にナショナリズムの気運が高まるのを
恐れている。

総理が靖国参拝を中止し、隣国を刺激しないよう気配り

しているが、いったいいつまで、侵略国の汚名を払拭でき

ずに、隣国にへりくだり、謝り続けなければならないのか。


それでも尚、世界でただ一国、戦争放棄を明記した
第九条・平和憲法を守りぬくべきか・・



1116 【吉村外喜雄のなんだかんだ】

「今こそ憲法九条を考えるとき」


戦後の混乱期、「堕落論」で一躍人気作家になった”坂口安呉”氏を知る人は少ない。

昭和21年”新潮”に掲載された「堕落論」・・国家のために死ぬのは当然・・と教え込まれていた当時の人々にとって、堕落こそ人間救済の道という、逆説的な省察は衝撃だったのです。


本質を見抜く洞察力に貫かれたこの随筆を機に、一躍人気作家になります。
安呉は反戦主義者ではなかったが、戦争を冷徹な目で見ていた。


「堕落論」の半年後、日本国憲法が公布された。「主権在民」「戦争放棄」「基本的人
権の尊重」を三大原則とする、新しい憲法です。


安呉の精神は、憲法論に遺憾なく発揮されます・・特に評価を与えたのが、国際紛争
を解決する手段となる”戦争”と、陸海空その他の”戦力を放棄”した九条でした。

「私は敗戦後の日本に、二つの優秀なことがあったと思う。
一つは「農地解放」で、
一つは「戦争放棄」という新憲法の一項目だ・・
ちっぽけな自衛権など、まったく無用の長物だ・・憲法で定められた戦争放棄を意識的
に活用するのが、他のいかなる方法よりも”利口”だ」
                                                     ~文芸春秋/安呉巷談~

「他国に負けじと軍備を整え、敵なる国と一戦を辞せず・・の考えに憑かれている国という国・・みんな滑稽なのさ・・彼らはみんな”キツネ憑き”なのさ」

「ともかく憲法によって、軍備も戦争も捨てたというのは・・日本だけということ・・そしてその憲法が人から与えられ、強いられたものであるという”メンツ”に拘泥さえしなければ、どの国よりも先に”キツネを落とす”機会に恵まれているのも、日本だけということは・・確かであろう」                                            ~文学界/もう軍備はいらない~

その当時、東西冷戦に突入し、核戦争の恐怖が覆っていた時代です。

軍備増強より、九条の精神を生かす方が現実的との指摘は、古びるところか、今なお新鮮さをもって、私たちに進むべき道を教えているのです。


自民党は今、安倍晋三首相の下、党是である憲法改正を目指しています。
自衛隊を「国防軍」に改組し、「集団自衛権を行使」できるようにする内容です。

首相は、世界の平和と安定に貢献する「積極的平和主義」を掲げている。しかし、ここで言う”平和”に・・実質はあるのか?  軍拡競争をあおったり、米国の誤った戦争に加担することが・・本当にないのか?


本質を見抜き、根源から問い直す・・”安呉の精神”が、今ほど必要とされる時代は
ありません。

                                                          10/21 中日新聞社説からの抜粋

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