■海江田・民主また内憂
10月3日の読売新聞朝刊・・「海江田民主また内憂」
の見出しで、党内の「バラバラ」ぶりを印象づける記事が
載った。
10月1日、野田前首相はワシントンの講演で、
「集団的自衛権の行使容認」に前向きな考えを表明し、
「原子力発電所の再稼働」を、自らの政権の実績の
ひとつにあげた。
一方、菅元首相は「原発ゼロ」を訴えて活動している。
総理経験者二人の言動は正反対で、党はバラバラ。
集団自衛権は、政府の憲法解釈で「保有しているが
行使できない」状態にある。
安部内閣は、行使容認に向けた憲法解釈変更に意欲
を示しているが、民主党は変更を認めない方向で、
党内をまとめようとしている・・
そんな時の野田氏の発言・・代表経験者が足を引っ張り
合うのはやめてほしい・・執行部から、不満が漏れてくる。
1112 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
「憲法96条改正の是非-3」
10月1日、ワシントンでの野田前首相の「集団的自衛権」に絡む講演内容・・「自国の防衛しかできない現状を続けることで、米国や他国との関係に支障をもたらす事態が生じている。日米同盟堅持、国際社会における平和構築努力への積極的な参加に必要と判断されれば、集団的自衛権を行使すべきです・・」
憲法改正の難易度は世界有数で、「世界最古の憲法」と言われる日本国憲法・・1946年の公布以来一度も改正されていない。
同時代に制定された他国の憲法は、すべて改正を経験している・・
日本は、96条の定める改正要件が厳しすぎるのです。
「自主憲法制定」を党是とする自民党は、05年憲法改正草案を発表。
96条発議の要件を「過半数の賛成」に改めるべきとした。
日本維新の会も、結党当初から見直しを訴え、基本政策「維新八策」に盛り込んでいる。
民主党は過去、02年党の憲法調査会報告書で「国会における発議を、過半数に改める」とし、重要な事項の改正以外は「3分の2以上の賛成があれば、国民投票を経ずとも、憲法改正を可能とする」と踏み込んでいる。
ところが、05年の「憲法提言」で削除してしまい、現在は反対の立場に立っている。
その時々賛成したり反対したり・・民主党内の憲法改正論はバラバラ。
05年、後に首相となる鳩山氏は自身の著書で「政体(天皇制と国民主権)、国際協調に関する条項以外の改正は、要件を緩和すべき」と主張している。
元民主党代表の小沢一郎氏は、1999年の自由党党首当時発表した日本国憲法改正試案で、96条について「これを変えない限り、いかなる改正論にも説得力はない」と見直しを訴え、他党に先駆けて「国民投票法」の制定を提案している。
ところが「生活の党」を率いて以降は、96条改正には反対の立場だ・・選挙に勝つことが最優先で、政治家としての理念が見えないのです。
読売新聞