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憲法96条改正の是非-2

富山大空襲


昭和20年8月2日午前0時、富山市にB-29が174 機 来襲・・
2時間の爆撃で死者2737人、焼失家屋 25000戸、市街地の
99,5%が焼失した。

終戦時4才だった私は、戦時中の出来事を沢山記憶している。
香林坊の自宅の隣で、村田銃を持った兵隊が数名駐屯していた。
自宅店の床下に防空壕を掘っているのを覗き込み、 向いの野本
さんの家が、空襲に備えて強制取り壊し ・・ その空き地で遊んだり。

夜は、電球の笠を風呂敷で覆い、窓ガラスは全て目張り してあった。
19年の暮れ近く父を香林坊に残して、家族は母の実家へ疎開 ・・
農家の納屋の二階に仮住まいした。

20年8月1日夜半、疎開先の上空を数十機のB29が 轟音を
轟かせて、富山方向の闇の中へ消えていった。
焼夷弾が落とされ、鈍い地響きとともに、幾つもの赤い炎の玉が
医王山を浮かび上がらせた・・
四才の私は、実家の玄関先でかたずを呑んで空襲を見ていたの
です。


1110 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
「憲法96条改正の是非-2」


時代に合った憲法に変えていくべきと思う・・しかし、日頃憲法を話題に することはほとんどない。

新憲法の意味と重要性を、学校できちんと学んだ記憶がないし、 知識がないこともあって、身近には感じられず、憲法という重たいテーマに
尻込みしてしまうのです。


新憲法は、日本が二度と戦争しないようにと、 九条で「戦力の不保持と戦争放棄」をうたっている。
「二度と戦争をしない」の文字・・不安におびえた戦時中を思い出し、 ずっと「いい憲法だな・・」と思ってきた。


ところで、私たちが知っておかなければならないことに、 「なぜ日本が
大国アメリカに、無謀な戦争を挑んだのか」ということがある。

多くの若者が戦場に散り、全国の都市が焼き払われ、二つの原爆で
途方もない生命が奪われた忌まわしい戦争・・

戦後の憲法は、戦争で死んでいった人たちの血のにじむ思いから、生まれてきたものであることを・・決して、過去の事として軽んじてはならないし、忘れてはならないのです。


ところがこの数年、竹島や尖閣の領有権問題で、隣国に国の主権が
脅かされるようになったが、現在の憲法・国内法では、隣国からの脅威に手も足も出ず、咄嗟に自衛隊を動かすことも出来ない・・法の壁があって・・「改憲しなければ」と思うようになった。


私たちの年代・・戦争を体験した者の多くは、時代に合わせて憲法は変えてもよいと、思ってはいるが、自衛隊を軍隊に改めたり、徴兵制度などの戦争につながる改憲には大反対である。


自民党が昨年まとめた改憲草案では、「秘密保持法の制定」など、国民の権利が今よりも制限されるような印象がある。知らないうちに、あれもこれも規制されていく社会は怖い。


戦火を生き延びた世代が消えていく中、安部政権が唱える改憲論に
不安を感じる人は多い。
政治を間違った方向に向かわせないためにも、私たちは「憲法」を正面から見据える必要があるのです。


                                                                    中日新聞「われらの憲法」より

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