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心に残るいい話/卒業式

捨てるのはどっち?

妻が 家に迷い込んだ猫を飼い始めた。

でも爪を立てるので、柱やふすまがボロボロ。

「もう捨てろ!」と言うと、俺と猫をまじまじと見比べた。

『おい・・今どっちを捨てるか・・考えたろ!』


おしゃべりに夢中

一日の出来事をいろいろ話すのを、夫は黙って
聞いてくれる。ある日、台所で後片付けをしていて、
振り向いたら夫がいない。
トイレから戻った夫に・・
「一人でしゃべっていたら、バカみたいじゃないの」
と怒ったら、『いつものことだけど・・』と言われた。


立場が逆転した夫婦

定年後、夫婦でよく外食をするようになった。

健康な妻は、いつも自分だけ大盛りを注文し、
ビールも大ジョッキ。

朝食の後、後片付けもせず、新聞を読んでいる。

ア~ア・・現役時代と立場逆転だ!

おれも昔は・・こんなんだっけか?


中日新聞「つれあいにモノ申す」



1100 【心と体の健康 】
~幸せな人生~ 「心に残るいい話/卒業式」


子どもたちの”いじめ”が深刻な社会問題になり、国会でも取り上げられる昨今、心温まるいいお話しです。


小松まり子さんというお母さんがおられて、その方のお子さんの足が不自由で、小学校の六年間、車椅子で通っていたんです。

六年間・・車椅子の後押しをしたのは、近所の子どもたちでした。

毎日当番を決めて、登下校の後押しをしたのです。


来年から中学・・みんなと同じ中学に行けると思ったら・・教育委員会から「お宅のお子さんは体が不自由だから、設備の整った肢体不自由児の中学校に転校してください」って言われたのです。


ご両親は納得されたのですが、友達は納得しませんでした。

六年間一緒に通ったんだから、中学も一緒でいたい・・署名運動までして嘆願した。

「エレベーターが無くても、トイレに1人で入れなくても、僕らがいます・・

車椅子を担いででもやります」って言うんです。

そんな約束までして・・また三年間、一緒に中学に通ったのです。


三年生の最後の日・・卒業式の日に、一緒に卒業したかったのですが、身体不自由なうえに弱かったものですから、風邪を引いて卒業式に出られなくなったのです。

いつものように迎えに来た友達に、ベランダから「九年間ありがとう!」とお礼を言った。

『じゃ・・お前の卒業証書貰ってきてやるよ』と、友達は登校していった。

お父さんも『今日は早く帰るから・・一緒に卒業を祝おう」と言って出かけた。

お昼にチャイムが鳴ったので、お母さんがドアを開けたら・・お父さんではなかったんですね。

卒業式を終えられた校長先生が、卒業証書を、わざわさ息子さんのために持ってこられ・・各学年で担任をされた先生方も・・小学校からズ~と車椅子を押してくれた生徒たちも・・一緒に来てくれたのです。


校長先生は『お子さんのお部屋で、卒業式をやらせてください・・』
とおっしゃった。

みんな部屋に集まった・・お子さんを前に、校長先生が卒業証書を読んでくれた。先生方は「よく頑張ったね!」と握手し、友達は、周りを囲んで校歌を歌ってくれた。

お子さんは、車椅子に座って証書を握りしめ、泣いていました。

お父さんもお母さんも、涙が溢れて止まりませんでした。


お父さんは、部屋のみんなに、喉を詰まらせながら、お礼を言いました。

『息子は・・皆さんの心温まる援助のお蔭で、無事小学校と中学校の両方を卒業できました・・何を学んだかは、本人に聞かないと分かりませんが・・人から受ける優しさほど、人の心を豊かにしてくれるものはない・・
ということを学んでくれたら、それだけで十分です』


「NHKふれあいトーク集・懸賞論文」より

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