■日本にとって、今なにが1番大事なのか
吉田松陰は黒船がやってきた時、「日本にとって今なにが1番
大事なのか」を明らかにして、すぐさま思い切った行動に出た。
「今ここで、海を渡ることが禁じられているのは、たかだか江戸
250年の常識に過ぎない。今回の事件は、日本の今後三千
年の歴史にかかわることだ・・くだらない常識に縛られ、日本が
沈むのを傍観することは、我慢がならない」
と松陰は言い残した。
参議院選挙は、自民党の大勝に終わった・・
「30年後・50年後の日本の将来を見据え、今何をすべきか?」
ほとんどの立候補者は、国民の目先の損得に関わる政策を公
約に、国政に打って出ようとしていた。
1089 【吉村外喜雄のなんだかんだ 】
「平等と公正の違い」
昨年末の衆議院選挙では、「消費税率」引き上げの是非が問われた。
今回は「ねじれ解消とアベノミクスの評価」が争点となり、日本の将来に関わる憲法改正やTPP、原発廃止の是非などの懸案は、野党が声を枯らせど、票にはつながらなかった。
今日は「平等と公平」、この二つのことばの違いを取り上げ、政治を考えてみたいと思います。
私は、囲碁やゴルフを趣味にしている。どちらも上級者相手にハンディキャップなしで挑んだら・・これは「平等」だが、勝負になりません。
過去の経験やレベルを考えて、相応のハンディを付けて戦う・・これは「公正」です。
消費税は、国民すべてに一律10パーセントの税金をかけ、貧しい人か
らも、富んだ人からも税金を「平等」に徴収します。
民主党肝いりの児童手当が、2010年から児童を持つ家庭に、一律
1万3千円平等に支給された。しかし、財源不足で児童手当に名称が
変わり、2012年6月からは、支給所得に上限が設けられ、1子、2子、3子、そして子どもの年齢などによって、支給額か異なるようになった。
平等支給に対する国民の批判もあって、「公正」に近い支給に改正されたのです。
消費税は間接税です・・その他間接税には、自動車やガソリン購入時にかかる税金、ゴルフ場利用税、入浴税、酒税、タバコ税など、生活に密着したささやかな憩いにも、平等に税金が課せられる。
消費税導入以前は”物品税”というのがあって、貴金属や外国の車など、生活にゆとりのある人が買い求める高価な消費財から高額の税金を徴収し、食糧や日常消費財には課税しなかった・・これは「公正」です。
私の医療費負担は、一昨年から一割になった。そこで、昨年白内障の手術をして、片目2万円の支払いで済んだ。
更に、年間の医療費の総額が十万円を超えたため、昨年、所得申告時に医療控除の対象になり、加えて、高額医療費制度の適用により、医療費の一部が返還振り込まれた。
更に生命保険からは38万円振り込まれた・・焼け太りである。
私のように、70歳を過ぎてなお現役で、それなりの所得がある者は、医療費負担は3割でも構わないし、70歳以上が対象の「ゴルフ税免除」の特典など、なくても不自由しないのです。
国民すべてから税金を「平等」に徴収する間接税は、所得の低い人には大きな負担になり、高所得者には軽く感じられる。
「自由・平等・博愛」は、とっても美い言葉ですが、現実社会では、大きな問題と弊害を伴う言葉になるようです。
読売新聞の記事から