■家計を圧迫する教育費
景気が上向いているというが実感がなく、この先、収入増が
見込まれるか不透明です・・なのに、家計に占める教育費の
負担は高まる一方・・
幼稚園から大学までの教育費の平均は(2010年文部科学省)、
すべて公立の場合約770万円、すべて私立なら2、230万円。
その他、お稽古事、塾、受験料、滑り止め入学金(この負担が
大きい)、遠隔地就学の下宿代・生活費、そして海外留学etc
我が家では、息子が大学を出、娘がアメリカ留学を終えるまで
多額の出費が続いて家計を圧迫した・・蓄えのほとんどを子ども
の教育費に費やしたのです。
子どもの教育に、収入が伴わない家庭が増えてきているという。
収入の差が、教育格差を生んでいるのです。
そこで、子どもが小さく、教育費があまりかからない頃に、生活費
とは別に積立をする、計画性が求められるのです。
1087 [吉村外喜雄のなんだかんだ]
「教育資金贈与信託制度」
今年の税制改正は、相続税の税負担を重くする一方、贈与税は甘い内容になっている。目玉は、祖父母から孫へ贈与される教育資金が非課税になったことです。
その狙いは、高齢者が所持する預貯金(男性の平均貯蓄額は70歳以上が最も多く1992万円・・30歳未満はわずか164万円/平成19年
総務省統計局)を、少しでも早く若年層に贈与して、消費を活性化し、
日本経済をよみがえらせようとするものです。
■教育資金の一括贈与にかかる非課税制度の創設
「教育資金贈与信託制度」は、「教育資金の一括贈与」に係る
”贈与税”の非課税措置の制度化に基づいて作られた、信託商品です。
30歳未満の子あるいは孫などへ、将来の教育資金として、祖父母や
父母が、信託銀行に金銭を一括で信託した場合、”1500万円を限度”に贈与税が非課税になる。
この信託商品を利用するには、まず信託銀行と信託契約を結んで教育資金を預け、「教育資金非課税申告書」などの書類を、銀行を通して税務署に提出しなければなりません。
孫一人当たり1500万円まで、複数の祖父母から贈与を受けることが出来るのです。
ただし、利用できる期間は今年の4月1日から、15年12月31日まで・・
契約できる銀行も、贈与を受ける孫1人当たり、1銀行1支店に限定される。
信託された教育資金は、入学金、授業料、保育料、修学旅行費、給食代、学用品購入代など、孫の両親などからの請求によって、払い出される。
また、学習塾や習い事の謝礼や月謝、塾に支払う教材費などは、
500万円までなら非課税の対象になります。
一方、大学の下宿代や留学のため渡航費、書店で買い求めた参考書代などは、対象外なので注意が必要です。
払い出しは、教育資金の支払に充てたことを証明する書類(領収書など)を、銀行に提出すればOKです。
信託期間は、孫が30歳に達した日、または亡くなった日に終了・・
尚、信託した教育資金を使い切った場合以外は、途中解約できません・・また、信託終了時に残金があれば、その残額は”贈与税の対象”になります。
■相続税の基礎控除額が引き下げられた
・定 額 控 除 5.000万円 ⇒ 3.000万円
・相続人比例控除
1.000万円 × 法定相続人数 ⇒ 600万円 × 法定相続人数
■相続税の最高税率が引き上げられた
・2億円以上 40% ⇒ 45%
・3億円以上 50%で変わらず
・6億円以上 50% ⇒ 55%