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孔子の教え(31)学ぶ心

孔子は”私学の元祖”


学校をつくる決心をした孔子を慕って、遠くから若者が
集まってきた。
日本では、福沢諭吉が月謝を取って学校を経営しましたが、
いろいろと批判する人もいました。

それを、孔子は二千五百年も昔に実践したのですから、
孔子は”私学の元祖”といえます。


日本では、徳川時代の半ばごろから「寺子屋」が普及しま

した。

寺子屋の数は、明治に全国に張り巡らされた郵便局の数

よりも多く、当時日本が、世界で最も識字率が高かったのは、
寺子屋教育があったからです。

                                              伊与田寛「論語の対話」より


1080 【心と体の健康】

古典から学ぶ 「孔子の教え(31)学ぶ心」


貧しい母子家庭に育った孔子だが、立派な人物になることを志して勉学に励み、知識を吸収していった。


子曰く  賢を見ては  ひとしからんことを思い
  不賢を見ては  内に自ら省みるなり
」     里仁第四

(知徳兼備の優れた人を見たら、自分もそのようになりたいと思い、

つまらない人を見たら、自分はどうかと内省する)


孔子は、賢人も不賢な人も、自分を立派に成長させる先生であると考え、誰であれ教えを受ようとした。


子曰く  三人行えば  必ず我が師あり 
  其の善き者を択びて之に従い  其の善かざる者にして
  之を改む」
                            述而第七

(三人が行動を共にしたら、必ず自分の先生になる者がいるものだ。
その善い者を選んで素直に従い、悪い者を見ては反省して、自らを改 
める)

孔子はよく学んだ。人間は、内容が充実すると、自然に外部や表情に表れて、誰が見ても「この人はよくできる・・感心なものだ」とわかります。

学ぶ者と学ばない者・・年月が経てば経つほど、両者の差が開いていく。


子曰く  之を知る者は  之を好む者に如かず

  之を好む者は   之を楽しむ者に如かず」   雍也第六

(知っているだけの者は、好んでやる者には及ばない。
             好んでやる者は、楽しんでやる者に及ばない)


この「」は、何も学問だけの問題ではなく、仕事にも通じます。ですから、楽しんで物事をやることは大変大切なのです。

更に、この上がある・・


子曰く  道に志し  徳により  仁に依り  芸に遊ぶ」  述而第七

(人として正しい道を志し、これを実践する徳を本分とし、仁の心から
離れないようにする。そうして、世に立つ上で重要な仕事に、我を忘れて 熱中することです)
「芸」とは・・礼節、音楽、弓術、馬術、文学、数学の六芸を言い、
「芸に遊ぶ」は・・”仕事に熱中する”の意味になる。


雍也第六と、述而第七の二つの文を合わせて・・
之を知る者は  之を好む者に如かず  

  之を好む者は  之を楽しむ者に如かず

  之を楽しむ者は  之を遊ぶ者に如かず」 になる。

                                                                        伊与田寛「論語の対話」より

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