■七割の力
防災訓練で、バケツに水をくみ、一列に並んでバケツリレー
で火を消す。この時、いちばん早く一定量の水を運べるのは、
バケツに”七分目”の水を入れた時です・・それ以上でも、
それ以下でもうまくいかない・・この方法が一番効率がよい。
バケツいっぱいに水を入れて渡そうとするように、100%の
力を出しきることを求めるノルマのきつい職場は、逆に効率
が落ちて、急な目標変更や仕事には対応できなくなる。
働き過ぎは体を壊す・・労働は、車の運転と同じで、余計な
アクセルやブレーキを踏まず、七分の操作で淡々と長続き
する運転に徹する・・それが長期間の安定した効率につなが
るのです。
これは、東京大学物理学者・西成活裕教授の説です。
今こそ「損して得取れ」「急がば回れ」などのことわざを教訓
にするときでしょう・・
1078 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
~幸せな人生~ 「私のモットーは有言実行」
以下は、日経新聞・私の履歴書/JXホールディングス・渡 文明相談役「有言実行」からの抜粋です。
自分が歩んできた軌跡を改めて振り返ってみると、人生はいわば「再現不能のドラマ」だなと思う・・シナリオをいくら精緻に書いても、その通りいくことは絶対にない。
私は三十代末に、うっかりすれば命を落としかねない”大病”をして、
一年を棒に振った。その他、いくつもの山谷を超えてきて、まさに七転び八起きの人生だった。
こうした人生でつかんだのは、「自分を限界に追い込むことの大切さ」である。
人前で言葉に出すと、引っ込みがつかなくなる「有言実行」・・退路を断つことで、爆発的な力を出せる。
「不言実行」は、やらなくてもだれにも分からない・・逃げ道を用意しているように思える・・私のモットーは「有言実行」である。
今の若者たちは閉塞状態にあると言われるが、ぜひ勇気を出して一歩前に踏み出してほしい。
ただし、自分の力を過信するのはよくない。やはり”運”の助けがあると思う・・それも、努力しなければ巡ってこないのだが・・
私の人生が開けたのは、「巡り合わせ」によるところが大きい。
尊敬できる上司に出合えたのは幸運だった。同僚・後輩の支えに救われたことが、何度あったことか・・感謝の気持ちでいっぱいだ。