「人間は一生のうち逢うべき人には必ず逢える
しかも一瞬早すぎず、一瞬遅すぎず」
これは、教育者・森信三先生の言葉です。
私の人生を振りかえってみると、思いもかけない不思議な
出逢いや出来事に、何度か遭遇している。
新しい人生の目標に向かって一歩踏み出そうとする時、
一人の力には限りがあります。
目標を達成するために、出逢いを求め行動を起したその時、
人生を決定づける思わぬ出逢いに恵まれ、事がスムーズに
運ぶのです。
不思議です・・熱意と行動が、運を呼び込むのでしょうか・・
しかもそれは、「一瞬早すぎず、遅すぎず」
そうした奇跡に思われる出逢いも、後からみれば、偶然では
なく、”必然”だったように思えるのです。
1076 【心と体の健康】
~幸せな人生~「ゆたかな心」
新聞の投書から・・
町を歩いていると、若い男が車のパンクを修理していた。
通り過ぎるとき、「パンクですか?」と声をかけた。
すると若い男『見りゃ分かるだろう・・おまえアホか!』と、そっけない返事が返ってきた。
パンクぐらい、見れば分かります。声掛けした言葉の中には、『大変でしょうね、お困りでしょうね』の思いが込められている。
相手には、その思いが通じなかったようで・・「淋しいですね」と書かれてあった。
回答者は・・
「思わぬパンクで、大切な約束の時間には間に合わなくなり、イライラしていたのでしょうね・・つい、言わなくてもいい言葉を吐いてしまったのでしょう。
しかし、やさしい言葉をかけたあなたが素晴らしいんですよ・・あなた自身の内面にある、自らのやさしさを認めてあげることです・・そうした声掛けを何気なくやれるあなたが、素晴らしいのです・・あなた自身を褒めてあげなさい」と答えている。
ところで私たちは、その若者から「お気遣い有難う」とか、「声をかけてもらってすみません」とかいっとた言葉を期待していなかったでしょうか・・思いもしない返事に・・つい腹が立ったのです。
私も最近、同じような経験をしています。
前を走る自動車の後部座席ドアが半ドアになっていた。
知らせなければと思い、追い越しをかけ、信号で停止した時に、その車に向って、「車の後部座席・・半ドアになっていますよ!」と、大声で教えたんです。
そうしたら車の男・・「いらんこと言われんでも、分かっとるわい!」
その時、ちょっとムカッときて、「もうこんな・・いらぬお節介せんとこう・・」と、同乗の友人に言ったら、友人「あんな人は家でも会社でも、うまくいっとらんんわいね・・言うても分からん人は、分からんちゃ!
でも、これからもし同じようなことがあったら、言うてあげまっしね・・」
助手席の友人の方が、私よりよっぽど人間ができていると思った。
パンクですかって言ったら・・見りゃ分かるだろうの返事・・思いが通じないんですね・・。
なぜ思いが伝わらなかったのか? 優しさを伝えようとする努力が足らなかったんでしょうね・・こちらの意志が相手に伝わる努力をすることの方が、 もっと大切なんでしょうね。
南蔵院住職・林 覚乗「ゆたかな心」