■世界遺産に等しい「日本語」
『田子の浦に うち出て見れば 白妙の
富士の高嶺に 雪は降りつつ」
山辺赤人が詠んだ5・7・5・7・7の短歌・・古今和歌集を
代表する和歌です。
日本人は子どもでも、千数百年前の「万葉集」や「古今和
歌集」など、古代の和歌を原文のまま読むことができる・・
世界の他の民族から見れば、それは奇跡だろう。
例えば、英国人が古代の文献を読む時は、古代ギリシャ
語やヘブライ語を修得しないと、読むことができない。
何故なら、英語は今から600年以前は、まだ公用語に
なっていなかったからです。
日本は大陸の民族とは違って、四方を海に囲まれている。
戦争で、民族が言語と共に滅ぼされるという経験をした
ことがない。
古代和語が永々と受け継がれ、現在に至っている日本
は、世界では稀な長い歴史を持つ言語なのです。
竹田恒泰「竹田研究会」
1071 【吉村外喜雄のなんだかんだ 】
日本人のアイデンティティー 「和の心」
日本は、万物に神が宿ると信ずる「和の国」です・・その源流は、縄文時代にまで遡ります。
更に終戦の時、ポツダム受諾が数日遅れたら、ロシア軍が北海道に攻め込んで、日本は東西に分断され、公用語としての日本語はどうなっていたことか・・
昭和25年、私が小学4年の時・・先生から「日本語の書き言葉はローマ字になる」と言われ、国語の時間に、ローマ字で作文させられた記憶がある・・
飛鳥以前は、和語で会話をしていても、公用文字を持たなかった日本・・外来語の漢字に和語の読みを付けて、日本語にした。
一つの漢字に、中国の読みと和語の二通り、もしくはそれ以上の読みを付けて、音と訓をたくみに使い分けることで、漢字を日本語に同化させることに成功したのです。
更に、1音ごとに画数の多い漢字を充てる煩雑さを解消しようと、考え出されたのが「平仮名」と「片仮名」
西暦905年に編さんされた「古今和歌集」を見ると、平仮名と漢字が混ざった美しい文章になっているのが分かります。