■「念ずれば花ひらく」 坂村真民
念ずれば 花ひらく
苦しいとき
母がいつも口にしていた このことばを
私もいつのころからか となえるようになった
そしてそのたび 私の花がふしぎと
ひとつひとつ ひらいていった
■坂村真民(1909~2006)
仏教詩人。一遍の生き方に共感し、癒しの詩人といわれる。
熊本県荒尾市に生まれ、愛媛県砥部町に居を構える。
毎朝1時に起床、近くの川で祈りをささげるのが日課。
詩は広く国民に愛され、中でも「念ずれば花ひらく」は
多くの人の共感を呼んだ。
1070 【心と体の健康】
幸せな人生 「二度とない人生だから」
~ 坂村真民 ~
二度とない人生だから
一輪の花にも 無限の愛を そそいでいこう
一羽の鳥の声にも 無心の耳を かたむけていこう
二度とない人生だから
一匹のこおろぎでも ふみ殺さないように 心してゆこう
どんなにか 喜ぶことだろう
二度とない人生だから
返事はかならず 書くことにしよう
二度とない人生だから
まず一番身近な者たちに できるだけのことをしよう
貧しいけれど こころ豊かに接してゆこう
二度とない人生だから
つゆ草のつゆにも めぐりあいの不思議を思い
足をとどめて みつめてゆこう
二度とない人生だから
のぼる月 しずむ月 まるい月 欠けてゆく月
四季それぞれの 星々の光にふれて
我が心を あらい清めてゆこう
二度とない人生だから
戦争のない世の 実現に努力し
そういう詩を 一遍でも多く 作ってゆこう
私が死んだら
後を継いでくれる 若い人たちのために
この大願を 書き続けてゆこう