■心和むとき
「 廻らない 寿司屋もあると 子が教え 」
「 喧嘩して 勝った子も泣く 幼稚園 」
「 つないだ手 おもちゃ売り場で 強くなる 」
「 グーを出す 孫の癖知り チョキを出す 」
「 お若いと 言われて若くは ないと知る 」
「 気がつけば 妻も会社も 髪も消え 」
「 猫に手を 貸したいくらい 今はひま 」
「 半額シール 貼る店員の 後をつけ 」
「 食卓の上に”びよういんへ”と走り書き。
どこか悪いのでは? と心配していると、
キレイな髪形で妻が帰ってきた・・
漢字で書き置きしてくれればよかったのに・・」
1061 【吉村外喜雄のなんだかんだ 】
日本人のアイデンティティー 「もったいない」
前号では、日本語を語源にした英語を取り上げましたが、今日のテーマ「もったいない」も、その一つでしょう。
日本ではおなじみの「もったいない」というこの言葉・・
前号での「津波」同様驚くべきことに、英語、フランス語、中国語、ロシア語・・何れも、世界の主要言語には存在しないのです。
日本の伝統的価値観を表すこの言葉が、世界に知られるようになったのは、ノーベル平和賞を受賞した、ケニアのワンガリ・マータイ女史が、平成17年に国連で演説した時、日本語の「もったいない」を、環境保全の合言葉として、紹介したことからです。
マータイ氏はこの日の演説で、「もったいない」には、消費削減、
再使用、資源再利用、修理の四つを表していると解説。
「MOTTAINAI」と書かれたTシャツを手に、「さあみんなで”もったいない”を唱和しましょう」と呼びかけ、会場を埋めた政府代表者や、NGOの参加者と共に唱和したのです。
マータイ氏は「限りある資源を有効に・・そして、みんなで公平に分け合うべきである・・そうすれば、資源をめぐって争ったり、戦争することはないだろう」と訴えた。
このように、「もったいない」を世界に紹介したのは、日本人ではなく、
ケニア人の女性だったのです。
私たち日本人は、日常生活の多くの場面で「もったいない」と言う・・
「物をありがたく感謝して大切に使いなさい」「物を無駄に消費してはいけません」「不要なものは使い回し、壊れた物は直して再利用しよう」・・
そうすることが”美徳”と、教えられてきたのです。
日本人は太古から、身の回りの万物に”神様”が宿り、人は皆、大自然の恵みによって生かされていると考えてきました。
太陽、月、雷、山、川、田、石などを八百万(やおよろず)の神として・・
また、かまどや便所、杉の木や松などにも神が宿ると・・祀ってきたのです。
子どもの頃、「お米一粒にも神様がいる・・ご飯粒こぼしたら、拾って食べなさい・・粗末にしたらバチが当る・・もったいない」と教えられ、育ったのです。
日本人の心に培われた「もったいない」の精神は、大切にして、後世に残していかなければならないアイデンティティーです。
竹田恒泰「竹田研究会」